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ピナクル@ダクストン(Pinnacle@Duxton):シンガポールの象徴的な住宅プロジェクト

シンガポールでは、国民の約8割がHDB(Housing and Development Board:住宅開発庁)が建設する住宅に住んでいます。数あるHDBの団地の中で、最もユニークな団地として、ピナクル@ダクストン(Pinnacle@Duxton)をあげることができます。

50階建の住棟7棟、1,848戸からなる大規模な団地で、完成は2009年。27階と50階にはスカイブリッジ(Skybridge)があり、スカイブリッジからは周囲を一望することができます(以下で紹介するように50階のスカイブリッジは有料で一般に公開されています)。
特徴的な形態は遠くからでもよく目立ち、近づくとその形態と大きさに圧倒されます。

ピナクル@ダクストンのデザインは国際的なコンペティションによって選ばれています。2001年8月、コンペティションが開催され、32ヶ国から227社が参加。参加社の内訳は、アジア太平洋地域が74%、ヨーロッパ・中東が15%、アメリカが11%。2002年4月30日、シンガポールの「ARC Studio Architecture + Urbanism」がコンペティションに優勝。2005年4月から建設工事がスタートしています。これに先立つ2004年5月29日から、住戸の販売が始められています。
ピナクル@ダクストンは2009年12月に完成。2009年12月13日に鍵引き渡しのセレモニーが開催されています。

なお、ピナクル@ダクストンのある敷地には、1963年に完成した2棟(2ブロック)のHDBの賃貸住宅があったということです。

中庭、及び、住棟の周りにはバスケットボール・コート、ベンチ、遊具が置かれた公園などがあります。住棟間は屋根のついた通路が巡っています。
シンガポールは非常に暑い気候ですが、涼しくなる夕方には、中庭や住棟の周りで遊んでいる子ども、ランニングしている人などをよく見かけます。
中庭の一画にヘリテージ・ガーデン(Heritage Garden)があり、パネルによってピナクル@ダクストンや地域の歴史などが紹介されています。

ピナクル@ダクストンの東は遊歩道(Pinnacle Plain Park)になっています。遊歩道は北側のNeil Rdの下をくぐり、MRTのアウトラムパーク(Outram Park)駅方面までつながっており、人通りの多い通り。遊歩道にはベンチ、健康器具などが設置されており座って話をしている人、運動している人、遊んでいる子どもなども見かけます。

50階のスカイブリッジ(Skybridge)へのアクセス

ピナクル@ダクストンには27階と50階にスカイブリッジがあり、このうち、50階のスカイブリッジは一般に公開されています。

  • 開放時間:9時〜21時(特別な行事がある場合は閉鎖)
  • 入場料:6ドル(EZ-Linkカード(日本のSUICAのような交通系のICカード)でのみ支払い可能)

スカイブリッジへのエントランスは、ピナクル@ダクストンの最も南にあるブロック1G(Block 1G)の1階にあります。Cantonment Rd側からブロック1Gに入り、窓口でスカイブリッジに行きたい旨を伝えます。EZ-Linkカードで代金を支払い、エレベーターで50階へ。

スカイブリッジでピナクル@ダクストンの7つの住棟をぐるっと巡ることができます。所々にベンチ、アート作品が置かれています。

スカイブリッジからはダウンタウンの高層の建物やHDBの住棟が建ち並ぶ光景、港の光景や、伝統的な住宅が保存されているエリアなどを眺めることのでき、非常に魅力的な眺望スポットとなっています。


参考

  • 「The Pinnacle@Duxton」ウェブサイト(http://www.pinnacleduxton.com.sg/index.html)。

(更新:2019年5月24日)

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