多世代にとっての場所(連載:ひがしまち街角広場-11)

子ども・子育て中の母親にとっての場所

「ひがしまち街角広場」の来訪者は地域の高齢者が中心ですが、決して高齢者ばかりが集まる場所ではありません。
小学生が学校帰りに「おばちゃん、お水ちょうだい」と言って水を飲みに立ち寄るのは、「ひがしまち街角広場」ならではの風景の1つ。小学生は寄り道が禁止されていますが、「ひがしまち街角広場」に立ち寄ることは学校公認とされています。中に入って来ない時でも、下校時には子どもたちが「ひがしまち街角広場」の前を通り過ぎていく様子が伺えます。近くの幼稚園に子どもを預けている母親グループが集まることもあります。
「ひがしまち街角広場」では、毎年七夕の時期には表に笹を飾り、短冊に願い事を描いてもらうようにしていますが、願い事を書いていく子どももいます。
このように「ひがしまち街角広場」は、子どもや若い世代を感じることができる場所でもあります。

近隣センターで運営していることの意味

学校帰りの子どもが立ち寄ったり、幼稚園に子どもを預けている母親グループが集まったりというように、「ひがしまち街角広場」が子どもや若い世代を感じることができる場所になっている大きな理由として、近隣センターで運営されていることをあげることができます。
近隣センターは日用品を扱う店舗や郵便局、集会所などがある場所で、近隣住区論*1)に基づいて計画された千里ニュータウンにおいて、各住区の中心と位置づけられています。近隣センターの周囲には幼稚園、小学校、中学校が立地しています。「ひがしまち街角広場」の移転時には、近隣センターで運営を継続することが考えられました。

さらに、新千里東町には近隣センター、幼稚園、小学校、中学校など地域の主要な場所が歩行者専用道路で結ばれているという特徴もあります。千里ニュータウン計画においては歩車分離、つまり、自動車と人をどう分離するかが考慮されました。千里ニュータウンの前半に開発された主に吹田市域の住区では、住区内の各ブロックごとにクルドサック(袋小路)により歩車分離の実現が考えられました。それに対して後期の主に豊中市域の住区になると、住区全体として歩車分離が考えられるようになり、そこで採用されたのが上にあげた歩行者専用道路です。しかも、新千里東町では近隣センターと小学校の校門とが向き合うように配置されています*2)。このことも、近隣センターで運営する「ひがしまち街角広場」が子どもや若い世代を感じることのできる場所になっている理由です。


注・参考文献

  1. クラレンス・A・ペリー(倉田和四生訳)(1975)『近隣住区論−新しいコミュニティ計画のために』鹿島出版会
  2. 近隣センターと小学校の校門とが向き合うように配置されているのは、千里ニュータウンの中でも新千里東町の特徴となっています。

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