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BRT大船渡線:柔軟性のある交通システム

2019年4月からBRT大船渡線(気仙沼駅〜大船渡の盛駅)に新たに2つの駅が設置されています。1つは陸前高田市内の西下駅(脇ノ沢駅と小友駅の間)。もう1つは気仙沼市内の唐桑大沢駅(八幡大橋/東陵高校駅と長部駅の間に設置)。

BRT大船渡線は、津波で被災したJR大船渡線の鉄路での復旧に代わって導入されたもので、2016年度グッドデザイン賞の「グッドデザイン・ベスト100」を受賞。
運行開始時に比べると、BRT大船渡線は運行経路の変更、駅の新設・移動と大きく変わっています。現在、大船渡市内には6駅ありますが、このうち碁石海岸口駅、大船渡魚市場前駅の2駅が新設。また、大船渡駅は復興の進捗に応じて何度か駅の位置が変更になりました。大船渡市内の全区間がBRT専用道となっていますが、専用道が完成する前は一般道を走行する区間もありました。

鉄路の場合は、線路の変更は用意にできないため最初に経路・駅を計画する必要がありますが、BRTの車両は道路を走行できるため、復興の進捗状況に応じて柔軟に経路や駅を変化させることができるというメリットがあります。

なお、2019年4月からBRT大船渡線には土休日ダイヤが導入されています。
土休日は朝、夕方〜夜の時間帯の本数が減らしての運行となります。BRTは高校への通学として利用されているため、朝と夕方は座れない人がいるほど。高校への通学の足を担っていると言えますが、土休日の運行本数が減らされたということは、通学以外にはあまり利用されていないという判断ということかもしれません。
車社会のため、車を運転する人はほとんどBRTに乗車することはないようですが、高齢になりいずれ車に乗れなくなる時の備えとして、BRTが担える可能性はまだあると考えています。

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