『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

千里南公園の「とんどまつり」の起源

大阪府によって開発された人工的な街、千里において宗教的なもの、伝統的なものを実現しようとする動きとして、古江台の古江稲荷神社、新千里西町の団地神社を挙げることができますが、他にもこうした動きはあります。

小正月に行われるとんど祭り(地方によって呼び方は様々)です。


千里ニュータウンでは、例えば、千里南公園で行なわれていますが、この行事はかなり早い時期から行なわれています。
千里南公園で初めてとんど祭りが開かれたのは1970(昭和45)年1月14日。大阪万博が開催された年です。

一月十四日、千里ニュータウン交通安全会(・・・・・・)主催による“とんとまつり”が千里南公園の円型グラウンドにおいて盛大に開かれました。
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同交通安全会では、万国博の成功と交通安全を祈念するとともに千里の人々にもふる里の思い出を味わってもらおうというのがそのねらい。今年初めて行なわれた行事ですが非常に好評だったところから今後とも毎年続けていくことになりそう。
同日は、午後七時より青竹五〇本で組み立てられたわらぶきの中に、それぞれが持ち寄ったしめ縄、門松、書初めなどを、「いざなぎ神社」の宮司が持参した神火によって点火、燃やしたわけですが、天に舞い上がるほのお、大きな音をたてて割れる青竹の音に“すごいナー”の声があちこちできこえ“熱いからもっとさがろう”“おいもを入れといたらええやろうにな”と参集者はワイワイ。
なお、残り火は各自提灯に移して持ち帰り、それぞれの手に明るい光りをなげかけていました。
*「千里で初めて・・・盛大に:“とんどまつり”」・『ニュータウン』第104号 昭和45年2月1日