千里ニュータウンの公的賃貸住宅の建て替え

千里ニュータウンでは、開発時、集合住宅が供給主体によってA棟〜D棟の4つに分類されていました*1)。A棟は大阪府住宅供給公社、B棟は大阪府（府営住宅）、C棟は日本住宅公団（UR都市機構）、D棟は社宅を表しおり、集合住宅の住棟壁面にはA・B・C・Dの文字が記載されていました。

（日本住宅公団の住宅を表すCの文字）

近年、千里ニュータウンの集合住宅の再開発が進められています。『日本経済新聞』の記事*2）によると、最近のUR新千里竹見台団地の建て替えの完了により、公的賃貸住宅の建て替えが約1万戸になったとのこと。千里ニュータウンの公的賃貸住宅は、A棟の大阪府住宅供給公社、B棟の大阪府（府営住宅）、C棟の日本住宅公団（UR都市機構）の3つがあります。

「このほど、千里竹見合団地（吹田市）で5棟738戸の建て替え工事が完了した。千里高野台（同）、新千里東町（豊中市）と合わせた3団地で、建て替えによって新たに供給された戸数は20～24年度で計9棟1263戸となった。
公的賃貸住宅の建て替えは、大阪府住宅供給公社が00年ごろに始め、12年ごろまでに約2400戸分を完了させた。その後、府営住宅で本格化し、これまでに約6300が完成。URの新しい住宅を加えると約1万戸になる。」
※「千里ニュータウン若返り　公的賃貸建て替え1万戸に」・『日本経済新聞』2025年2月21日

URは、今後、千里津雲台団地の再生事業を開始し、2030年度までにさらに約1700戸を新しくする計画を立てているということです。

千里ニュータウンの集合住宅の再開発の状況を整理すると表のようになります。
大阪府住宅供給公社（A棟）は、分譲住宅を含めて大半が建て替えられています。
府営住宅（B棟）は、10の住区にありますが、千里青山台住宅を除いて建て替えが計画されています（千里古江台住宅、新千里北住宅では、一部の住棟が耐震改修）。なお、A棟、B棟とも建て替えにあたっては、住棟を高層化することで敷地を集約し、これによって生み出された土地（余剰地）を民間に払い下げるという手法が採用。払い下げられた土地（余剰地）には民間の分譲マンションが建設されています。
UR都市機構（C棟）は、分譲の3団地は全て民間の分譲マンションに建て替えられています。賃貸の9団地のうち、千里高野台団地、新千里東町団地、千里竹見台団地の3団地は記事の通り建て替えが進められており、今後、千里津雲台団地の建て替えが計画されています。

府公社住宅（A棟）

（左がOPH北千里駅前、右がプラウド北千里）

府営住宅（B棟）

（府営豊中新千里北住宅）

公団団地／UR団地（C棟）

（千里グリーンヒルズ竹見台）

• 千里ニュータウン開発時に建設された団地。
• 表では入居が始まった順に住区を並べている。
• （　）内のアルファベットは計画時に用いられていた住区の記号を表す。
• 建設年度と戸数は、千里ニュータウン再生プラン研究会編『千里ニュータウン住宅地再生に向けた提言』（豊中市政研究所　2002年6月）に掲載の「参考資料2　千里ニュータウンにおける公的賃貸住宅の概要」、「参考資料3　千里ニュータウンにおける公的分譲住宅の概要」より。
• 建て替えなどは公開されている情報にもとづいている。

■注

• 1）千里ニュータウンの集合住宅については、こちらを参照
• 2）「千里ニュータウン若返り　公的賃貸建て替え1万戸に」・『日本経済新聞』2025年2月21日

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