『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

Ibashoフィリピン

フィリピン、レイテ島オルモック市のバゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)で進めらているIbashoプロジェクト。バゴング・ブハイは2013年台風30号(台風ヨランダ)の被災地であり、2014年4月にワシントンDCの「Ibasho」のメンバーらが訪問。2015年1月末、ペットボトルのリサイクル活動からIbashoプロジェクトがスタートしました。その後、農園、モバイル・カフェ、フィーディング・センター(Feeding Center)による環境改善、石鹸や編み物作りなどの活動が展開されています。2019年1月にはIbashoプロジェクトの拠点となる建物が完成しました。

バゴング・ブハイはオルモック市にある110のバランガイ(Barangay)の1つ。バランガイとはフィリピンの都市(Cities)と町(Municipalities)を構成する最小の地方自治単位であり、その長(バランガイ・リーダー)は選挙によって選ばれます。


Ibashoフィリピンのあゆみ

2021年

  • 7月7日:Ibasho Philippinesとバゴング・ブハイの高齢者協会(Senior Citizens Association)が協力して資金を出し合い、Ibasho Buildingの窓にルーバーを設置
  • 7月10〜11日:栄養月間の活動として、Ibasho Philippinesとバゴング・ブハイの高齢者協会(Senior Citizens Association)により、バランガイの貧困な子どもたちへの食事の提供を行う

2020年

  • 10月1日:日本(居場所ハウス)、フィリピン、ネパールでIbashoプロジェクトに参加する高齢者、ローカル・コーディネーターが顔を合わせるオンライン会議を開催。オンライン会議はワシントンDCのIbashoと、Ibashoネパールのローカル・コーディネーターのBihaniが中心となり企画した。日本の「居場所ハウス」のメンバーはアプリケーションが使えず参加できなかった
  • ※新型コロナウイルス感染症により、Ibasho Buildingが、オルモック市の隔離施設(quarantine facilitie)として利用される(〜2021年中旬)

2019年

  • 1月5日:Ibashoフィリピンの拠点となる建物(Ibasho Building)のオープニング・セレモニーが開催
  • 1月:ローカル・コーディネーターのIさんが海外に出発
  • 1月11日:Ibasho Buildingで、1回目のコアメンバーのミーティングが開催。Ibashoフィリピンのメンバーらにより、プロジェクトの効果・課題を把握するための調査(エンドライン調査)が実施。バゴング・ブハイの約250人の高齢者がCovered Courtに集まり調査に回答
  • 4月12日:Ibasho Buildingに窓格子を設置
  • 5月17日:Ibasho Buildingのバスケットボール側の開口部にシャッターを設置
  • 6月2日:Ibasho Buildingに扉と脇柱を設置
  • 7月18日:Ibasho Buildingを清掃し、扉にペンキを塗装
  • 7月19〜24日:10回目の訪問
  • 9月末:Ibasho Building脇のスペースをMini Gardenとする

2018年

  • 2月18〜22日:7回目の訪問
  • 2月26日:Ibashoの拠点となる建物の図面を依頼したエンジニアとのミーティング
  • 3月:Ibashoの拠点となる建物の図面のドラフトが仕上がる
  • 5月8日:プロジェクトの効果・課題を把握するための調査(ミッドライン調査)が終わる
  • 5月26日:サンフラワー・プロジェクトとして、農園にサンフラワー(ひまわり)の種を植える
  • 6月19〜26日:8回目の訪問
    • 6月20・21日:「居場所ハウス」、Ibashoネパールのメンバーらとともに世界銀行・ADBが主催するマニラでのセミナーに参加
    • 6月23日:「居場所ハウス」、Ibashoネパールのメンバーらとバゴング・ブハイ(Bagong Buhay)を訪問。スキル交換として掲示板・クラフト作りなどを行う
    • 6月24日:「居場所ハウス」、IbashoネパールのメンバーらとNSJMPA(Naungan San Juan Mangroves Planters Association)のマングローブ・エコツーリズム・パークを見学。バゴング・ブハイ(Bagong Buhay)にて掲示板・料理作り、拠点となる建物の建設に向けた地鎮祭を開催
  • 7月7日:掲示板を拠点となる建物の敷地に仮設置する
  • 7月17日:掲示板にペンキを塗装
  • 9月17日:Ibashoの拠点となる建物の建設工事が始まる
  • 11月21〜25日:9回目の訪問

2017年

  • 4月:Ibashoプロジェクトの2人のメンバーがセブを訪問し、SEC(証券取引委員会)の非営利組織の規則・規定(Rules and Regulations)に関するセミナーに出席
  • 5月中旬:フィーディング・センター(Feeding Center)のベンチ修理、キッチン増設の作業を始める。フィーディング・センターはバランガイ・ホール前にある場所で、バゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)が所有。2013年台風30号(台風ヨランダ)の被害を受け、一部補修され利用されていた
  • 6月:Ibashoプロジェクトのメンバーが、バゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)のデイケアセンターの子どもたちのための食事(Porridge)を作る
  • 7月24〜29日:6回目の訪問
  • 8月15日:バゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)訪問時に開催したワークショップに参加していた男性から、空き地をIbashoプロジェクトの農園のために貸してもらえることになる
  • 9月末〜10月上旬:新しい農園に小屋を建設
  • 10月16日:プロジェクトの効果・課題を把握するための調査(ミッドライン調査)を始める
  • 10月30日:活動資金獲得のため2回目のビンゴ大会を開催

2016年

  • 1月19・21〜23日:モバイル・カフェの1回目のトライアルを行う
  • 2月4日:「Ibasho Philippines」の非営利組織(Non-profit Organization)としての法人格を取得するための手続きをスタート
  • 2月6日:農園で、Kさん訪問時に種まきしたカボチャを収穫
  • 2月17日:モバイル・カフェの1回目のトライアルに参加したメンバーへの感謝状の贈呈と、他のメンバーへの協力の要請を行う
  • 2月22〜29日:モバイル・カフェの2回目のトライアルを行う
  • 3月9日:モバイル・カフェの2回目のトライアルに参加したメンバーへの感謝状の贈呈を行う
  • 5月23〜25日:Ibashoプロジェクトの何人かが、IsraAIDのサイコ・ソーシャル・サポート(Psychosocial Support)のための3日間のトレーニングを受ける
  • 6月2日:2人のメンバーが農園を清掃し、野菜を植えるための準備
  • 6月5日:モバイル・カフェのローンチ・イベントとして、バゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)内をパレード
  • 6月25日:聖ヨハネ水かけ祭り(Feast of St.John the Baptist)に合わせ農園でピクニック。農作業を再開する
  • 6月28日:ローカル・コーディネーターのIさんが、セブのSEC(証券取引委員会)に、「Ibasho Philippines」法人格取得のための申請用紙を提出
  • 7月13日:リサイクル活動の一環として、高齢者協会(Senior Citizens Association)の毎月の集まりで、各家庭から集めたリサイクル品を業者に販売。Ibashoプロジェクトの活動資金とする
  • 9月24日:活動資金獲得のためにビンゴ大会を開催
  • 11月20〜26日:5回目の訪問
    • 11月21日:この日のミーティングで、ローカル・コーディネーターのIさんより「Ibasho Philippines Elders Incorporated」の法人格を取得したという報告がある
    • 11月22日:多目的室(Multipurpose Room)でワークショップを開催。子どもたちにIbashoの建物でしたいことを絵に描いてもらう(午前)。Ibashoの8理念、これまでの活動を振り返った後、メンバーから提案のあったクラフト作り、豚肉のロースト(Lechon)について意見交換(午後)
    • 11月23日:Ibashoの建物を建設する予定の敷地に行き、面積を測定。その後、多目的室(Multipurpose Room)でIbashoの建物での活動内容、平面プランについて意見交換
    • 11月24日:多目的室(Multipurpose Room)でIbashoプロジェクトのメンバーと今後の進め方についての意見交換

2015年

  • 1月1日:アメリカのNGO・Architecture for Humanityが資金難のため解散
  • 1月7〜11日:3回目の訪問。岩手県大船渡市の「居場所ハウス」のSさん、Kさんらも同行。この訪問の後、バゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)でのプロジェクトはワシントンDCの「Ibasho」が単独で行うこととなる
    • 1月8日:レイテ島・カナンガ(Kananga)のマサラヤオ地区(Barangay Masarayao)を訪問。「居場所ハウス」のSさん、KさんがHelpAge/COSEの復興プロジェクトの住宅を補強するためのブレースを設置
    • 1月9日:バゴング・ブハイのバランガイ・ホールでワークショップ。①リサイクル、②子どもの栄養プログラム、③農園の3つの活動が提案され、具体的な進め方について意見交換
    • 1月10日:バゴング・ブハイの多目的室(Multipurpose Room)で子どもたちに折り紙の折り方を教える。その後、バランガイ・ホールで今後の活動について、特に小学校の敷地を利用する可能性、屋台(モバイル・カフェ)について意見交換。この日、「Ibasho」は、訪問のサポートとしてセブから参加していたフィリピン人看護師のIさんが、プロジェクトのローカル・コーディネーターに就任することに合意
  • 1月末:高齢者協会(Senior Citizens Association)のメンバーが自主的にペットボトルのリサイクル活動をスタート
  • 2月6日:ローカル・コーディネーターのIさんが、バゴング・ブハイを訪れ、高齢者協会(Senior Citizens Association)の代表者らと会う。この日、Iさんは高齢者協会(Senior Citizens Association)の有志が既にペットボトルのリサイクルを始めているのを知る
  • 2月11日:ローカル・コーディネーターのIさんが、高齢者協会(Senior Citizens Association)の毎月の集まりに参加。毎月第2水曜に開かれている集まりは、地区の60歳以上の高齢者の大半が参加。Iさんは、この集まりで1月のワークショップで提案された3つの活動を含め、Ibashoプロジェクトを紹介
  • 2月20日:Ibashoプロジェクトの最初の会議を開催。定例会はプロジェクトのメンバー、ローカル・コーディネーターのIさんが参加。以降、ほぼ週に1回の定例会として継続される
  • 3月13〜19日:仙台で開催の第3回国連防災世界会議に合わせてIbashoプロジェクトのLさん、Aさん、ローカル・コーディネーターのIさんが来日
  • 4月9日:IbashoフィリピンのFacebookページを立ち上げる
  • 4月27日:ローカル・コーディネーターのIさんが、メンバーの1人から農園のための空き地を借りることができるという報告を受ける
  • 4月28日:メンバーの2人とローカル・コーディネーターのIさんが、農園のために貸してもらった土地を訪問。農作業を始める前に清掃が必要であることを確認
  • 5月2〜3日:貸りた土地を農園にするための清掃を行う。清掃後、早速、オクラ、サヤエンドウの種をまく
  • 5月8日:メンバーの1人が、種苗圃作りを始める
  • 6月1日:メンバーの男性2人とローカル・コーディネーターのIさんが、農園に、近くのメンバーの家から水をひくための配管作業を行う
  • 6月5日:メンバーが手作りで作ってきた種苗圃がおおよそ完成
  • 6月19日:農作業できるスペースを拡大するため、農園敷地内にあった竹の根を掘って取り除く
  • 6月25日:農園でピクニック開催
  • 7月8日:農園で初めて野菜を収穫
  • 7月12日:農園のスペースを拡大するため、男性メンバーが中心となり敷地中央にあった木材を置く小屋を解体
  • 7月31日:栄養月間の活動の一環として、子どもたちを農園に招待。農園を紹介した後、手作りの料理(Porridge)を振る舞う
  • 8月18日:IsraAIDのメンバーが農園を訪問し、Ibashoプロジェクトのメンバーと会う
  • 10月22〜29日:4回目の訪問。岩手県大船渡市の「居場所ハウス」のKさんらも同行
  • 12月12日:プロジェクトの効果・課題を把握するための調査(ベースライン調査)が終わる

2014年

  • 1月24日:この日、日本赤十字看護大学で開催されたシンポジウム「Displacement and older people-The case of the Great East Japan Earthquake and Tsunami of 2011-」にあわせて刊行された研究レポート『Displacement and older people-The case of the Great East Japan Earthquake and Tsunami of 2011-』(HelpAge International, 2013)の執筆・編集に、ワシントンDCの非営利法人「Ibasho」代表のKさんが協力
  • 1〜2月頃月:HelpAge InternationalからワシントンDCの「Ibasho」に、フィリピンの2013年台風30号(台風ヨランダ)の被災地で、Ibashoプロジェクト実施の可能性について打診がある
  • 4月16〜20日:1回目の訪問。HelpAge/COSEのコーディネートで、2013年台風30号(台風ヨランダ)の被災地であるフィリピンのレイテ島・セブ島の5ヶ所を訪問。オルモック市のバゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)は4月18日に訪問し、高齢者協会(Senior Citizens Association)のメンバーらと意見交換。帰国後、HelpAge/COSEとの意見交換を経て、バゴング・ブハイをIbashoプロジェクトの候補地とする
  • 6月:ワシントンDCの「Ibasho」が、バゴング・ブハイにおけるプロジェクトのプロポーザル「Ibasho Café: Engaging Elders for Resilience and Inclusion」を作成。プロポーザルは高齢者が子どもたちに昼食を提供するカフェテリアを運営するか、昼食のケータリングを行うという内容。プロジェクトに関わる組織としてIbasho、HelpAge/COSE、アメリカのNGO・Architecture for Humanityが計画
  • 10月30日〜11月2日:2回目の訪問
    • 10月31日:2013年台風30号(台風ヨランダ)で被害を受けたバゴング・ブハイの小学校(Bagong Buhay Elementary School)を訪問。地区の高齢者協会(Senior Citizens Association)のメンバーからIbashoカフェのプロポーザルが示される。プロポーザルの内容は、小学校敷地内に2階建ての建物を建設し、1階を子どもたちに食事を提供する提供、2階を高齢者協会のオフィスにするという内容
    • 11月1日:バゴング・ブハイのバスケットボール・コート(Covered Court)にて、高齢者協会(Senior Citizens Association)のメンバーと今後のプロジェクトの進め方について意見交換

*年表中の「○○回目の訪問」はIbasho/Ibasho Japanのメンバーの訪問を表す。

(更新:2021年7月15日)