『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

疎開保険とニュータウン

先日、疎開保険というものがあると教えていただきました。

鳥取県の智頭町が独自に企画し、東日本大震災の前からスタートさせている取り組みで、疎開保険に加入すると、地震・噴火・津波等を原因とする災害救助法が発令された場合、智頭町内および近隣町村提携施設において、1週間分の宿泊場所と食事を提供するもの。加入金は10,000円(1人・1口・1年間あたり)。幸いにも災害が起こらなかった場合は、智頭町のお米や野菜等の特産品を送ってもらえるというようです。

ウェブサイトには、被災保険が「いよいよ田舎の出番です!」という言葉とともに紹介されています。


ある地域で災害が起きた場合、他の地域に疎開できることは救いとなります。災害が起きた場合の助け合いの輪に、ニュータウンはどのように関われる可能性があるのか。

ニュータウンには次のような欠点があるとしばしば指摘されます。

  • 空き家が多い
  • 仕事場が近くにないので昼間は人がまばら

これを逆転させれば、疎開という局面においては次のような利点になりそうです。

  • 被災された方を(一時的にでも)受け入れる住宅の余裕がある
  • 静かな住環境を提供できる

東日本大震災後、いくつかのニュータウンでは被災者を迎え入れ、暮らしをサポートする活動をされていると聞きます。ここに書いたようなことは、既に実践されていることかもしれません。
ニュータウンには智頭町のような大自然も、農産物もないかもしれませんが、災害が起きた場合の助け合いの輪にどうやって参加していくかを考えることも大切なことだと思います。

(更新:2020年3月9日)