府営千里高野台住宅は、住棟によって中庭を作りだす「囲み型配置」が採用されていますが、どのような中庭が生み出されたのかを調べていたところ、地図ではB-28棟が見当たらないことに気づきました。
千里ニュータウンの初期に建てられた集合住宅には、住棟壁面に住棟番号が示されています(注:A=大阪府住宅供給公社、B=大阪府営住宅、C=UR都市機構(旧公団)、D=社宅)。
実際に壁面に示された番号をもとに作成した配置図は以下のようになります。
Google Mapにもこれと同じ情報が掲載されています。
上の配置図には、B-28棟が見当たりません。
どういう事情があるのだろうと思い、団地内を歩いていたところ以下の案内板を見つけました。
配置図やGoogle MapではB-26棟となっている南側の住棟が、B-28棟と書かれています。
しかし、別の案内板にはB-26棟が2棟あることになっています。
B26棟が2棟あるのか、B26棟とB28棟が1棟ずつあるのか? 念のため、もう1度、住棟壁面に書かれた住棟番号を確認したところ、写真の通り、南側の住棟もB-26と書かれています。
先日、「千里ニュータウン情報館」で発見したことがあります。
「千里ニュータウン情報館」を入ったところに千里ニュータウン計画の大きな模型が設置されています。この模型を見ると、赤で囲った部分に2つの住棟が配置されています。
赤で囲った部分は、現在、写真のような空間になっています。住棟を建設のため造成されたように見えなくもありません。
以上のことから、B-28棟として建設される予定だった住棟が、何らかの事情で建設されなかったと考えることができそうです。
住棟番号は計画時点の番号が利用されたため、B-28棟は欠番になりましたが、B-28棟と記された案内板もあるので、B-26棟の南側の住棟がB28棟に変更されたのかもしれません。この住棟にお住まいの方に郵便を出す時には、B-26棟と書くのかB-28棟と書くのか。このあたりは、実際にお住まいの方に確認する必要がありそうです。
B26棟が2棟あるのか、B26棟とB28棟が1棟ずつあるのかはわかりませんが、その南西にあるB-31棟が3棟あることは、案内板でも、壁面の番号でも一致しています。千里ニュータウンでは、1つの住棟に1つずつ住棟番号が割り振られているものだと思っていましたが、府営千里高野台住宅のポイントハウスのように、複数の住棟がまとめられ1つの住棟番号が付けられている場合もあることも新たな発見です。