先日、飛行機から中東のアラブ首長国連邦の街並みを見る機会がありました。砂漠の中に直線の道路が敷かれ、その中に整然と街が並んでいる光景。海岸沿いには幾何学的な人工島が作られている光景が印象に残っています。アラブ首長国連邦の街並みをいくつかご紹介したいと思います。
パーム・アイランド(Palm Islands)
パームとは椰子(ヤシ)のこと。名前の通り、椰子の木の形をした人工島です。Wikipediaによるとパーム・アイランドは3つ計画されており、現在、2つが計画されているとのこと。
パーム・ジェベル・アリ(Palm Jebel Ali)
3つのパーム・アイランドのうち、一番、南に位置するもの。Wikipediaによると、2002年10月に開始。写真のように既に島の形は完成しています。完成すると25万人を収容できる都市になるとのこと。
パーム・ジュメイラ(Palm Jumeirah)
3つのパーム・アイランドの真ん中に位置するもので、観光地・別荘地として最初に開発が開始。Wikipediaによると2001年6月に建設が開始、2006年から住宅の分譲が始まっている。パーム・ジュメイラが建設されたことで、海岸線が520km長くなったとのこと。
パーム・ジュメイラは左右対称の形態をしており、中央の幹になる部分から左右に8本の枝が伸びています。椰子の木の周りには長さ11kmの三日月型の防波堤があります。
写真のようにパーム・ジュメイラだけでなく、海岸沿いにも高層の建築が多く建ち並んでいることがわかります。
デイラ・アイランド(Deira Island)
3つのパーム・アイランドのうち、一番、来たに位置するもので、現在、建設が進んでいる。計画の縮小により2013年、計画名がパーム・ディラ(Palm Deira)からデイラ・アイランドへと変更された。
ザ・ワールド(The World)
パーム・ジュメイラとディラ・アイランドの間に位置する人工島群。写真のようにいくつかの島に建物が建設されています。周囲には円形の防波堤。飛行機から眺めている時には気づきませんでしたが、Wikipediaによると、人工島は地球の陸地を模したもので、上空から眺めると世界地図に見えるとのこと。
陸地は写真のように直線の道路が敷かれ、そこに整然と街が計画されていることがわかります。
その中で特に目をひいたのが円形の街。中央からは放射状に道路が延びており、花のような形に見えます。後ほど地図で調べたところ、ここはNew Al Falahという街であることがわかりました。
New Al Falahは、かつてエベネザー・ハワードが描いた田園都市のモデルのような形にも見えます。田園都市とNew Al Falahに直接的な影響関係があるかどうかはわかりません。
イギリスで生まれた田園都市は、世界各国のニュータウン建設に影響を与えることになりますが、この系譜の上に中東の人工都市も連なっているのでしょうか。
逆に、もし田園都市とNew Al Falahに関係がなかったとしても、全く無関係な両者が同じような形態、同じような規模(『田園都市』によると田園都市のサイズは4平方キロ。地図で見る限り、New Al Falahのサイズもそれと大きく違っているわけではない)であることも興味深い点です。