『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

日々の情報を共有することで互いの暮らしを守り合う

千里ニュータウン新千里東町の近隣センターの空き店舗を活用して運営されている「ひがしまち街角広場」は地域の人々が用事がなくても気軽に立ち寄れる場所であり、そこではいつも様々な会話が交わされています。

先日はある女性が、オレオレ詐欺に引っかかりそうになった話をされました。前日の夜、息子を名乗る男性から電話番号が変わったという連絡があったとのこと。そして、翌日、お金を使い込んだから、東京までお金を持って来て欲しいという電話があったとのこと。
「声が違うって気づかなかったんですか?」と尋ねると、前の晩にかかってきた男性と同じ声だったので、最初は気づかなかったとのこと。あとで思えば、「太い声なったなぁって思った
と女性。

最終的には、この女性が「私の生年月日を言って」と言ったら、電話を切られたとのこと。それでオレオレ詐欺だと気づいたとのことです。自分が経験するまで「なんでこんなんに引っかかるんやろうって思ってったけど、これは絶対ひっかかると思った」と女性。

最近は手口が巧妙になっていますが、体験談を聞いていた方は、同じ手口には引っかかりにくいと思います。
オレオレ詐欺に対しては、家族だけの合い言葉を決めることが推奨されることがあります。もちろん合い言葉を決めることも有効だと思いますが、家族内だけで対応を考えるのに加えて、身のまわりの地域の人々と情報共有することで、同じ手に引っかからないようにすることも大切です。

そこにやって来る人々が自身の体験談を話すことを通して、身のまわりの問題が地域で共有されていきます。それが結果として、互いの暮らしを守ることにつながっていく。「ひがしまち街角広場」にはこのような役割もあります。

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