大船渡市末崎町は復興の進展に伴い風景が大きく変わりました。復興の進展に伴う風景の記録として、BRT大船渡線に乗車した時、定期的に車窓からの風景を撮影してきました。
このような考えで撮影した動画を以下に掲載しています。いずれも同じ区間を撮影したものであり、時間の経過とともに風景が変わっていく様子がおわかりいただけると思います。
2015年10月1日撮影
2017年4月5日撮影
2019年2月7日撮影
2022年6月10日撮影
2024年5月6日撮影
小細浦
津波の被害を受けた地区の1つ。2015年10月1日の動画にも、既に山裾に防災集団移転による戸建住宅が映っています。プレハブの建物は、復興に従事する人々ための宿泊所(飯場)です。2022年6月10日の動画では、既にプレハブの建物が撤去されています。
細浦湾周辺①
細浦湾も津波で大きな被害を受けました。時間の経過につれて漁業の冷蔵施設(青い大きな建物)などが建ち並ぶようになります。
BRT細浦駅
一ノ関駅と盛駅(大船渡市)を結ぶJR大船渡線のうち、津波の大きな被害を受けた気仙沼駅と盛駅間は鉄路ではなく、BRT(Bus Rapid Transit)での復興が行われることとなりました。
動画には待合室、トイレが備え付けられたBRTの細浦駅(バス停)が映っています。BRTの細浦駅(バス停)を出発したすぐ後には、JRの細浦駅のプラットフォームの一部が映っていますが、2022年6月10日の動画ではプラットフォームは撤去されています。
細浦湾周辺②
細浦湾の周囲(動画の手前部分)は津波による被害を受けました。震災後、新水域で細浦復興朝市が開かれてきました。2017年4月5日、2019年2月7日、2022年6月10日の動画に映っている屋根は細浦復興朝市のための屋根です。
このエリアの浸水域は公園として整備されることになり、2019年4月28日、「シーサイドパーク細浦」のオープニングセレモニーが開かれました。
神坂
細浦湾の奥に見える神坂も、津波の被害を受けた地区の1つ。時間の経過につれて防災集団移転による戸建住宅が建ち並んでいく様子がわかります。
細浦湾
2019年12月には、細浦湾の防潮堤として「起伏式フラップゲート水門」の工事が始められました。「起伏式フラップゲート水門」とは津波の波力によって起き上がり、堤内への浸水を防ぐもので、海底への設置は国内初とのこと*1)。
- 1)「国内初、海底に起伏式水門 細浦の防潮堤に導入 県による工場スタート」・『東海新報』2019年12月10日
大船渡湾口防波堤
大船渡湾口防波堤は津波により破壊されました。2015年10月1日に撮影した動画では、大船渡湾口防波堤が再建工事の様子が映っています。細浦を通り過ぎた後、BRT専用道が大きくカーブし、海が目に飛び込んでくる所が、BRT大船渡線の車窓からの風景の中で最も美しい部分だと感じます。
(更新:2024年5月18日)