『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

フィリピンから居場所ハウスへの訪問者②

2015年3月14日(土)・15日(日)、フィリピンのオルモック市のメンバーが「居場所ハウス」にやって来られました。2日目の3月15日(日)は、フィリピンのバゴング・ブハイの女性がフィリピン料理を作って、昼食に振舞ってくださいました。メニューはエビの入ったシニガンというスープと、野菜の炒め物。いずれもフィリピンでは日常的に食べるものだとのこと。バゴング・ブハイのメンバーがキッチンで料理しているのを興味深そうに眺める「居場所ハウス」の方々。できあがったフィリピン料理はみなでいただきました。

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午後、Ibashoプロジェクトのコーディネーターの方がスライドを使ってバゴング・ブハイの紹介をしてくださいました。

2010年時点でオルモック市の人口は約19万人。市内には110の地区(Barangay)があり、バゴング・ブハイはその1つ。バゴング・ブハイの人口は約6,361人で1,315世帯、1,451家族(世帯数が多いのは複数家族が住む世帯があるため)。1世帯あたりの平均人数は4.8人です。高齢化率は7.8%。バゴング・ブハイの主な産業は農業で、主な作物はお米、サトウキビ。お米は年に3度収穫できるとのことです。
*「居場所ハウス」のある大船渡市末崎町は、2013年12月末時点で人口4,415人、世帯数1,519世帯で、1世帯あたりの平均人数は2.9人です。

バゴング・ブハイのIbashoプロジェクトは、いきなり建物を建てるのではなく、自分たちでまずできることからスタートするという考え方で進められており、月に1回ペットボトルのリサイクル活動をしていること、60歳以上の住民が参加する地区の高齢者協会(Senior Citizens Association)のメンバー約200人の8割にあたる160人がワークショップに参加したこと、拠点がないのでミーティングは個人の家や屋根付きのバスケットボールコートで開いていることなどを写真で紹介していただきました。

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昼食を食べた後、バゴング・ブハイの2人が、「居場所ハウス」の女性から新聞のバラのブローチの作り方を教わっておられました。予定していたプログラムではありませんでしたが、バゴング・ブハイの方が興味を持たれたため、材料(新聞紙の綺麗な色のページを長方形に切ったものと、ノリ、ハサミなど)を用意して来られたようです。初めての方にはやや難しかったようですが、1時間ほどでバラのブローチが完成しました。
このブローチ、大船渡では手作りの小物として販売されているようです。バゴング・ブハイでも小物作りが始まれば、Ibashoプロジェクトにとっても多少の資金になると思います。

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近い将来、バゴング・ブハイで新聞の花のブローチ作りをしてるという報せがあるかもしれません。それを聞いて、向こうでやってるなら「居場所ハウス」でも何かやろうか? というかたちになればと思います。
大船渡とオルモックでは状況が違うため、「居場所ハウス」とバゴング・ブハイのIbashoプロジェクトで同じことはできませんし、同じことをする必要もありません。どちらかが相手を一方的に支援するというかたちではなく、互いに活動を参考にし合えるような関係を継続することができればと思います。

(更新:2019年2月21日)