2018年6月24日(日)、フィリピン・オルモック市のバゴング・ブハイ(Barangay Bagong Buhay)で活動するIbashoフィリピンで、拠点となる建物の建設に向けた地鎮祭を開催しました。敷地は、バランガイ・ホール近くのバランガイ・ホール近くの屋根付きのバスケットボール・コート脇の土地です。
2013年台風30号(台風ヨランダ)の被災地支援を行う国際NGO・HelpAge/COSEのコーディネートで、ワシントンDCの非営利法人・Ibashoが訪問した後、2015年1月末、バゴング・ブハイの高齢者協会(Senior Citizens Association)の有志が自主的にペットボトルのリサイクルをスタートさせました。これがIbashoフィリピンの始まりとなります。
Ibashoフィリピンでも、日本の「居場所ハウス」のような拠点となる建物が欲しいという話は当初から出されていました。けれども、すぐに拠点となる建物を持つことができなかったため、ペットボトルのリサイクル、農園など、自分たちでできる活動を徐々に展開してきました。拠点となる建物が完成した際に提供する料理を検討するため、モバイル・カフェの試みも行いました。バランガイ・ホール前にあるフィーディング・センター(Feeding Center)の改修、ペンキ塗りにより、地域の環境を改善する活動も行ってきました。Ibashoフィリピンは、拠点となる建物を建設するプロジェクトではなく、拠点の建設はこのように様々な活動を積み重ねてきた上で行われるものです。
拠点となる建物について、Ibashoフィリピンのメンバーらと最初に意見交換したのは2016年11月。この時、敷地の面積を測定した後、拠点となる建物でどのような活動をするのか、どのような場所にするのか、そして、どのような建物にするかのワークショップを開催。拠点となる建物の建設の認可もおり、2018年2月のミーティングでは、建物の建設に必要な手続きについてのミーティングを行いました。こうした活動の積み重ねの後、今回、地鎮祭を開催することとなりました。
地鎮祭にはIbashoフィリピンのメンバー、ワシントンDCの非営利法人・Ibasho、建物の設計を担当した技術者の男性、バゴング・ブハイのバランガイ議会の議員(Barangay Council)、そして、バゴング・ブハイを訪問していた「居場所ハウス」とIbashoネパールのメンバーも参加。
Ibashoフィリピンのコーディネーター、Ibasho代表の挨拶が終わった後、「居場所ハウス」とIbashoネパールのメンバーから、Ibashoフィリピンのメンバーへの記念品などの贈呈が行われました。
この後、赤いリボンをまいたスコップで鋤入れが行われました。慣例に従い、最初に鋤入れするのは設計を担当した技術者の男性。この後、Ibasho代表、Ibashoフィリピンの代表、コーディネーター、バゴング・ブハイのバランガイ議会の議員が順番に鋤入れを行いました。
敷地はバスケットボール脇にあるため、バスケットボールをしていた何人かの若者も、地鎮祭の様子を眺めていました。拠点となる建物が完成すれば、若者が、高齢者が何をしているのかを認識できる機会も増えていくと思います。若者と高齢者が直接交流せずとも、互いの活動を認識し合えるというのはよいことだと考えています。
これから、拠点となる建物の建設が始められることになります。
なお、ここで紹介したバランガイ(Barangay)というのはフィリピンにおける行政の最少単位で、その長(Barangay Captain)は選挙によって選ばれるとのこと。Ibashoフィリピンが活動しているバゴング・ブハイ(Bagong Buhay)は、オルモック市に110あるバランガイの1つ。拠点となる建物の建設予定地はバランガイが所有する土地となっています。