情報技術がますます進展する現代において、情報技術とリアルな空間がどのようにつながっていくかに興味を持っています。
最近見かけたのは、携帯型ゲーム機のニンテンドーDSによる「すれちがい通信」。
これは、ニンテンドーDSをもつ人同士が近距離に接近すると通信が行えるという機能で、「ドラゴンクエストIX」もこの通信によってアイテム等を交換できるとのこと。「すれちがい通信」をするためのスポットがもうけられ、多くの人が集まったようです。
言うまでもなく情報技術のメリットは、空間的な距離を越えるコミュニケーションを可能にすること。このことは反面、情報技術でつながっている他者とのコミュニケーションを優先するがゆえに、同じリアルな世界に居合わせている他者との関わりを軽視するということでもある。しかし、人間が身体をもつ存在である限り、リアルな空間が不要になるわけではありません。この時、「すれちがい通信」のように空間的に近くにいるからこそ可能になる情報の流れを生み出すことができれば、情報技術だけでも、リアルな空間だけでも実現できないコミュニケーションが生み出される可能性がある。情報技術とリアルな空間とのつながりという点で、興味深いことだと思います。
(更新:2020年9月20日)