『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

千里ニュータウン再開発の光景@古江台(2025年12月)

阪急千里線の北千里駅周辺は、集合住宅の大規模な開発が進められています。
北千里駅の東側は、藤白台B団地の再開発によって、OPH北千里駅前が完成しています。

(OPH北千里駅前)

北千里駅の南西では、府営千里古江台住宅の再開発が進められています。

府営千里古江台住宅の北側エリア

府営千里古江台住宅は、47棟、1,323戸からなる千里ニュータウンでは最大の住戸数をもつ府営住宅で、メタセコイアの並木のある吹田市道藤白古江線を挟んで、大きく南北2つのエリアに分かれています。

団地の住棟配置は、大きく、平行配置と囲み型配置に分けることができます。平行配置は、東西に細長い住棟を平行に配置するもので、これによって全ての住棟を南面させ、各住戸の日当りを確保することができます。これに対して、囲み型配置は、中庭を作るように住棟を配置するもので、これによって住民同士の接触の機会、活動場所を確保することができます。千里ニュータウンでは、主にUR(公団)の団地で平行配置、府営住宅で囲み型配置が採用されました。

府営千里古江台住宅では、北側エリアでは平行配置が採用されています*1)。平行配置の団地は景観が単調になってしまう傾向がありますが、府営千里古江台住宅ではポイント型住棟が配置されるなど、景観に変化をもたせることが工夫されています。
北側エリアの府営住宅の住棟は全て取り壊されました。府営吹田古江台住宅の住棟が完成していますが、メタセコイアの並木のすぐ北側を中心に、まだ更地が見られます。

(府営吹田古江台住宅)

更地になっていることもあり、阪急千里線の線路の東側には、府営吹田藤白台住宅の高層の住棟を見ることができます。

(府営吹田藤白台住宅)

府営千里古江台住宅の南側エリア

府営千里古江台住宅の南側エリアは囲み型配置がなされています。このエリアの府営住宅の住棟は、建て替えが行われないことになっており、現在でも囲み型配置がされた住棟が残されています。
囲み型配置がされた団地では、一部の住棟に西向きの窓ができるため、西向きの窓には緑色の日除けが設置されています。この意味で緑色の日除けは、その団地が囲み型配置になっていることの目印とも言えます。

南側エリアの中庭は、高低差のある地形をいかした空間で、新千里北町で車止めとして利用されているキリン、亀の形をした遊具(オブジェ)、高低差をいかしたすべり台などを見かけます。

(府営千里古江台住宅)


■注

  • 1)再開発前の府営千里古江台住宅の様子は、こちらの記事を参照。