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ステンレスの林:千里ニュータウンのパブリックアート

写真は、かつて千里中央のセンタービル(設計は建築家の槙文彦氏)の前に設置されていたパブリックアート。彫刻家・飯田善国氏による「ステンレスの林」です。

写真を撮影したのは2006年2月から3月にかけて。後ろに写っているセンタービルの解体工事がちょうど行われている頃です。風景が変わってしまう前にと思い、写真を撮りに行ったものです。

「ステンレスの林」について、新聞記事には次のように書かれています。

街や公園に増えたアート作品は、「邪魔」と非難されることもあれば、地域のよさを再発見する補助線や見る人の気持ちの支えになったりもする。でも、その功罪を議論するより早く街は移ろうから、アートの寿命も定まらない。
廃棄は免れたものの、「復活の日」がはっきりしないのは、大阪府豊中市の千里ニュータウンに設置されていた「ステンレスの林」。彫刻家の飯田善国(1923~2006)による立体造形で、高さ約13メートル。3本の鋼鉄に磨き込まれたステンレス板が取り付けられ、風が吹けば板は回転した。
豊中市によると、ニュータウンの再開発で昨年に撤去され、同市と伊丹市にまたがるゴミ処理施設の倉庫に保管されたままになっている。関係者が何カ所か移転先を当たったが、「飯田さんの代表作であっても、作品が大きく移設費用も高額だからと断られた」。結局、ゴミ処理施設が将来リニューアルする際に作品を再活用するという条件で、作品の所有権は施設に移されたという。
*「さまようパブリックアート 再開発・保養地閉鎖でピンチ」・『朝日新聞」2007年11月8日号

記事が書かれたのは4年前と少し古いですが、「ステンレスの林」は今もまだゴミ処理施設に眠っているのでしょうか。

千里ニュータウン完成記念モニュメント

千里ニュータウンは1970(昭和45)年に開発が完了しました。ここで紹介したステンレスの林は、千里ニュータウン完成記念モニュメントの1つとして、(財)大阪府千里センター(当時の開発センター)によって設置されたもの。

設置された5つの千里ニュータウン完成記念モニュメントは以下の通りです。

あほんだら獅子

  • 設置場所:千里中央公園
  • 作:流正之
  • 寄贈:大和銀行

あほんだら獅子についてはhttps://discover-senri.com/blog/20180706/220049もご覧ください。

ステンレスの林

  • 設置場所:千里中央広場
  • 作:飯田善国
  • 寄贈:大阪瓦斯

風の道

  • 設置場所:千里北公園
  • 作:新宮晋
  • 設置:大阪府千里センター

日と風と雨と

  • 設置場所:千里南公園
  • 作:辻普堂
  • 寄贈:関西電力

集(つどい)

  • 設置場所:北千里駅前広場
  • 作:植木茂
  • 寄贈:松下電器産業

  • 参考:大阪府タウン管理財団「昭和45年(1970) 完成記念モニュメントの設置」のページ

(更新:2019年2月21日)