『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

大船渡市末崎町の大田団地・門之浜湾の様子(2025年5月)

大船渡市末崎町、門之浜に面した旧・大田団地の様子。門之浜湾に面した土地は、末崎町には珍しく平坦で震災前には約250戸が建ち並ぶ新興住宅地でした(1971年5月に宅地分譲開始)。東日本大震災の津波により海側が大きな被害を受け、戸数は100戸以下になりました。

震災後、門之浜湾には防潮堤が建設。さらに第二防潮堤としての役割が期待される道路が、津波浸水域を東西に走るように新設されています。

新設された道路と防潮堤の間には、トマト工場が建設。トマト工場は、大船渡市で第一号の被災跡地を活用した企業誘致で、2017年5月19日、大船渡市といわて銀河農園との企業立地協定が締結されました*1)。

「小河原地区では、市と地域が協働で被災跡地の利用について検討。企業誘致に向けた産業用地として利用することとし、いわて銀河農園の立地が決まった。
市が買い取った被災跡地に市の誘致企業が立地するのは、これが初めて。5月には市といわて銀河農園が企業立地協定を結び、来春の操業開始を目指して準備が進んでいる。
産業用地の面積は約3.2ヘクタール。市が敷地造成を行ったあと、同社へ貸し出す。同社では、トマト栽培棟と集出荷施設棟(管理棟も含む)からなる生産技術高度化施設(施設面積約1.5ヘクタール)を建設し、通年によるトマトの生産と出荷を行う。」*2)

トマト工場は2019年から出荷が本格化しており、現在、従業員50人規模の体制でトマトの生産が行われています*3)。

新設された道路の内陸側は居住エリアで、震災後、何軒かの建物(住宅)が建設されています。
その一方、防災集団移転により市有地となった土地の中には、基礎と塀だけが残され手がつけられていない状態の土地も見られます。

梅神地区の漁港の近くには、津波による被害を免れた八幡神社があります。


■注