『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

新潟市の上古町商店街におけるタイルを用いた光の演出

先日、新潟を訪れる機会がありました。
新潟にお住まいの知り合いに案内していただいた場所の1つが、新潟市中央区にある上古町商店街、通称、カミフル。

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老舗、そして、個性的でお洒落な店舗が100ほど並ぶ500mほどの商店街で、非常に魅力的な場所でした。写真のように夜景も非常に綺麗です。

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店舗と歩道が輝いて見えますが、光を演出するために次のような工夫をしているとお聞きしました。

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工夫は、歩道に敷かれたタイルにあります。
歩道には明るい色(黄色)と暗い色(グレー)の2色のタイルが使われていますが、歩道中央にある点字ブロックを境として、

  • 店舗側(写真の左側)には、明るい色(黄色)のタイル:暗い色(グレー)のタイル=75%:25%の割合で利用する
  • 車道側(写真の右側)には、明るい色(黄色)のタイル:暗い色(グレー)のタイル=25%:75%」の割合で利用する

2色のタイルの割合が違うため、暗くなると、明るい色(黄色)のタイルが多数使われた店舗側の歩道の明るさが際立つとのこと。シンプルですが、非常に効果のある工夫だと感じました。

歩道に敷くタイルは、明るい色(黄色)と暗い色(グレー)の利用割合だけを定めてあり、並べ方はランダムにされています。これによって、模様を気にせずによいため、タイル交換も容易だとのこと。

上古町商店街では、歩道にも配慮がなされています。
現在のアーケードに架け替えた際、車椅子がすれ違えるようにと、両側の歩道が50cmずつ広げられています。これに伴い、車道幅が4.75mに狭くなりました。車道の幅は規格で定められており(4.5m、5.0m)、4.75mは規格に当てはまらないと指摘されたようですが、4.75mの幅でも実際に車がすれ違えることを確認し、歩道を50cm広げることが実現したとのこと。

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アーケードのかかった商店街に比べると暗いという意見もあるようですが、店舗の明かりが通りに漏れている感じは、どこかヨーロッパの街のように見えます。

(更新:2021年4月9日)