『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

多世代の人々にとっての「居場所ハウス」

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写真はある日の「居場所ハウス」の様子。この日は、5歳の子どもから90代の方までと、幅広い年代の方にお越しいただきました。手前のコタツでは若者2人がコーヒーを飲みながら話。本棚の前で遊んでいる子どもと、付き添いでやってきたお祖母さん。奥の土間では運営の打合せをされている方。薪ストーブの周りでは、90代と80代の方が座っています。写真には映っていませんが、この日の朝は、小学生がやって来て、カラオケをしたり絵を描いたりして遊んでいました。

この様子を見ながら、「今日はいい感じだね」、「これが本来の「居場所」、多世代交流っていう感じだなぁ。四世代だよ」という会話。こうした光景をともに目にすることで、「居場所ハウス」という場所の意味が少しずつ共有されていけばいいと思います。

この日は、地元の方が「かぼちゃけ」(正式な表記は「かぼちゃけぇ」?)という郷土料理を作ってくださいました。かぼちゃと小豆ともち米でできた、かぼちゃのお粥です。

できあがった「かぼちゃけ」は、居合わせた人にも振る舞ってくださいました。「かぼちゃけ」を食べながら、「子どもの頃、食べたけど。50年は食べてない」と80代の方。「おら、初めて食べた。子どもの頃、出されたけど、ドロドロして見かけが悪かったから嫌だと言って」と90代の女性。高齢の方にとっても、今となっては珍しい料理のようです。50代のある方は、「かぼちゃけ、すごい楽しみ。作ったことも、食べたこともない」と言いながら、後ろから料理をされているところを覗きこんでおられました。

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この日の「かぼちゃけ」作りは、会話の中から自然に生まれたもの。「○○教室」と銘打って行われたイベントではないため、ご存知なかった方も多いと思います。ただ、「何が行われているかは来た時のおたのしみ」(だから、何が行われているかと頻繁に顔を出していただく)というかたちで、自然に生まれたことを大切にするのが、「居場所ハウス」らしいかなと思います。