『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

地域に自分の役割があること

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ヘルプエイジ・インターナショナル(HelpAge International)によるレポート「Displacement and older people -The case of the Great East Japan Earthquake and Tsunami of 2011-」のローンチイベントが、日本赤十字看護大学で開催され、出席しました。

イベントに出席されたパネリストの男性の言葉が心に残っています。この男性は、原発の被害を受け、東京に避難された方。応急仮設住宅として提供された都営住宅の抽選に当たったので、2011年4月から東京に避難して来られたのですが、ひきこもりになったとのこと。「優しい言葉とかね、そういう言葉が、ほんとに辛かったんですよ。俺以上に、厳しい状態で避難してる人もいるのにって。だんだん、心が折れて、泣けてくるんですよ」、「みなさんよくしてくれるんだけど、後にも行けない、先にも行けない、何をしてればいいんだろう、隠れるしかないなっていう気持ちになりました」。
ひきこもりの状態から抜け出すきっかけになったのは、月に1度の仮設住宅の集会で、「畑を耕してみないか?」という話を聞いたことだとのこと。畑ならできるかも知れないと思い、現地に行くと、7〜8年、誰も手をつけていない土地があった。「それから、一鍬、一鍬、耕していきました」、「一鍬、一鍬。黒い土が見えるたびに、自分の力が湧いてきました」。
この話を聞かれた、仮設住宅の自治会の副会長の方は、「やることがあるってことは、私にとってもいいことです。私がやることは、ボランティア、おつかれさん。ここで休んでくれって、これが私の仕事だった」と話されていました。

地域に自分の役割があること。

話は「居場所ハウス」のことになりますが、「「居場所ハウス」があったから、自分の役割を見つけることができた」と、多くの方に言ってもらえる場所にしたいですし、同時に、支援という名のもとに、地域の方々から役割を奪っていないか? ということは、常に意識せねばならないことです。もちろん、役割を奪おうと思って支援するわけではありませんが、結果として役割を奪ってしまうことはあり得る、というのが難しいところです。