少し前、中国の北京を訪問する機会がありました。前回、北京を訪問したのは2007年のため、18年ぶりの訪問。当然ですが、北京は大きく変化していました。
前回訪問した時は、恐らく大気汚染のため、空がいつもどんよりと曇っていました。しかし、今回訪れた北京では、青空が広がっていました。


WeChat(微信)というアプリケーションが普及していることは聞いていましたが、実際に訪れて、日常生活から仕事まで不可欠であることも実感しました。
WeChatは、家族や友人とのメッセージのやり取り(チャット)のために使われていますが、QRコード決済も可能。今、若い人は現金を使わないようで、案内してくださった方も現金は持ち歩いておらず、全てWeChatのQRコードで決済をされていました。
地下鉄もWeChatのQRコードで乗車。配車サービスは、Uber、Lyft、Grabに相当するDiDiが普及しており、DiDiでタクシーやライドシェアの車の配車を依頼。案内してくださった方の話では、今、道を走っているタクシーは手を挙げても止まってくれず、DiDiから配車を依頼する必要があるとのこと。WeChatにはミニプログラムという機能があり、ミニプログラムとしてDiDiを登録することで、WeChatのアプリケーションから配車サービスを利用しているようです。このほか、図書館の貸し出しカードも、WeChatのミニプログラムで登録されていました*1)。
仕事の場面でもWeChatは不可欠で、名刺交換というものは行われておらず、日本でLINEの友達登録をするように、WeChatで友達登録をされていました。
WeChatは、パソコン、タブレットのアプリケーションも用意されており、同僚とは、Eメールはほとんど使わず、WeChatのチャットでやり取りされているとのこと。数十メガバイトものサイズのファイルも、そのままWeChatのチャットで送っておられました。
このように日常生活でも仕事でも、WeChatは不可欠であるため、スマートフォン無しでは生活が難しいとのこと。スマートフォンのバッテリー切れを防ぐため、駅の改札、ショッピングセンター、飲食店の入口、ホテルのロビーなどいたるところで、モバイルバッテリーのレンタルが行われていました。


街の光景としては、超高層ビルが林立する光景に加えて、再開発プロジェクト、そして、道路が印象に残っています。
大きな道路は、街路樹が多く、自転車、バイクのレーンがもうけられています。


シェアサイクルも普及しており、多数のシェアサイクルを見かけました。スマートフォンのアプリケーションを利用して、停められている自転車を借りて、好きな目的地で返却(乗り捨て)ができるという便利な仕組みのよう。ただし、返却される位置には偏りがあるようで、荷台に積んだ自転車を運ぶ車両を何度か見かけました。


電気自転車(EB:Electric Bicycle)も普及しているとのこと。日本で電気自転車というと電動アシスト型の自転車がイメージされますが、中国の電気自転車は、自転車に電動モーターを搭載したもので、スクーターのような乗り物。免許不要で乗ることができるようで、多くの電気自転車を見かけました。


自動車も、電気自動車(EV:Electric Vehicle)が普及。電気自動車とガソリン車ではナンバープレートの色が違うようで、電気自動車は緑、ガソリン車は青のナンバープレートになっているということです。
■注
- 1)中国のQRコード決済としては、WeChatの他に、Alipayも普及している。なお、地下鉄はVISA、Mastercardなどクレジットカードのタッチ決済でも乗車することができる。