『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

「千里ニュータウン 51年目のまちづくりを考えるワークショップ」を開催

今年、千里ニュータウンはまちびらきから51年目。新たな半世紀を始めるにあたって、千里が抱える課題をみなで共有し、これからの千里ニュータウンに必要なものを考えるための「千里ニュータウン 51年目のまちづくりを考えるワークショップ」が、2013年8月6日(火)、千里文化センター・コラボで開催されました。

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コラボ、2階の多目的スペースを「大きな本」などを使ってセッティング。セッティングをしている間も、足を止め「大きな本」を読んでくださる方も。

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14:00からワークショップがスタート。20人程の方に参加いただきました。まず、千里ニュータウンがどのような背景・考えをもって計画されたのか、建替を含め、現在の千里はどのような状況になっているかの説明と、他のニュータウンで行われている興味深い事例の紹介を行いました。

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紹介の後、テーブルに用意した黄色い紙(「大きなポストイット」と呼ばれています)に「新たな半世紀に向けて、千里の現在の課題」を書いていただきました。課題が書かれた黄色い紙は、順番に「大きな本」のページへ。

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課題をみなで確認した後、水色とピンクの紙に「これからの千里に必要なもの・あってほしいもの」を書いていただきました。こちらも「大きな本」のページに貼っていきました。

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「現在の課題」(黄色い紙に書いた内容)と「必要なもの・あってほしいもの」(水色・ピンクの紙に書いた内容)はセットなので別々には書きにくい、黄色い紙と水色・ピンクの紙に同じようなことを書いた等の意見があり、ワークショップの進め方には改良すべき点もありましたが、これからの千里に向けて次のような貴重な提案・意見をいただきました。「大きな本」に貼られた意見、一部ですが、ご紹介させていただきます。

千里ニュータウンの現在の課題・これから必要なもの

  • 子どもが安心してあそべる場づくり 緑豊かではあるが手入れされておらず、死角が多い。危険も多く特に小さい子どもが安心してあそぶことができない。
  • 北千里駅の近くに学生が遊びまわれるような施設が欲しい 阪大生や金蘭生などの学生は学校が終わった後 北千里で遊ぼうとは思わず梅田に行ったり他の場所に行ったりしがちです。そこで北千里駅周辺に娯楽施設があれば、もっと学生でにぎわえると思う。
  • 音楽スタジオ 若者のはじける場所。
  • 中高生が楽しめる空間をもっと多く。音楽練習・発表 ダンス スケボーetc 屋外彫刻展をひらく
  • 働く場の創造 (現状)世代の分断、子育てが一段落した親世代が地域とつながりをもちにくい。「職」が近くにあれば・・・
  • 梅田地区より安い賃料で借りることのできるシェアーオフィスも。IT関連企業などで働ける場のある衛星都市に。(ベッドタウンの位置付けだけでなく)
  • (公共)文化施設がない。ex音楽ホール、絵画館、文化財(遺跡)展示
  • 音楽ホール NT開設当時の3ヶ所が全て閉館 民間ベースで困難であれば行政主導で
  • 文化ホール(100〜300人キボ) 市民活動で借用できる施設(従来はあったが・・・・・・)
  • 地区センター、近隣センター(都心)の賑は、商業的繁栄+人・情報の出会いから生まれる。→商業施設とNPO事務所などの融合
  • 各県ごとの物産展などを利用した他府県との交流の場を設ける
  • 全体案内板不足(PR意欲?) 個々にあるが、全体の解るものが無い
  • 車がなくても不自由しないように移動手段(電車、バス)の範囲をもっと大きくしてほしい
  • (仮称)お散歩バス(南千里−山田−北千里−千里中央)100円で! ex箕面オレンジゆずるバス
  • 戸建住宅内にも喫茶店や福祉施設があってもよい。
  • 地域の方々で運営する塾や英会話教室などを、住宅地内に設ける。・ニーズが高いので、若い世代の家族を引きこめられる。・身近な場所に設けることで安心・安全。
  • 何時でも誰かがいてくれる(ボランティアを含め) 寄り合いスペース 茶屋 カフェ
  • 地域内の開かれた交流施設 マンション・団地んは集会施設があるが、地域で利用できる交流施設を作る。(分譲価格に含める→行政の支援も必要)
  • 集合住宅史から見ても暮らし易さから見ても実は優れている住宅形式もある。階段室型 ポイント型 スター型 景観的に活かせるものは残しては?
  • 町全体のグランドデザインがない。各マンションがばらばら
  • 行政間の連携が不十分! 国、大阪府、豊中市、吹田市、UR、公社、など関係する行政機関が多すぎて、責任の所在、将来の計画がバラバラ。当然、住民の意見も十分に吸い上げられていない。
  • 千里について論議する常設の場の普及・拡大 ex①コラボ・千里地域懇談会(ラウンド・テーブル) ②北千里地域交流会(グランド・デザイン論議の場のベースになる)

「大きな本」に貼られた用紙に書き込まれた提案を取り出してみれば、「単なる個人的な思いつきではないか?」(リアリティのない絵空事)という印象を持たれるかもしれません。しかし、その1つ1つが、日々の暮らしで感じるリアルな課題や問題意識を背景として提案されたもの。
その意味で、(課題ばかりを話し合うのは後ろ向きだという意見があるかもしれませんが)まずは地域が抱える課題を振り返り、みなで共有する機会が必要なのだと思います。今回のワークショップがその一助になればと思います。

なお、この日のワークショップ等で出された提案・意見をまとめたものは、

意見をまとめたものは、2013年9月10日(火)〜10月20日(日)まで千里ニュータウン情報館で開催される企画展「51年目のまちづくり~千里ニュータウンで今、始まっていること」にて展示予定です。