『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

普段の姿を記録し伝える

ハネウェル居場所ハウス」の日々の運営は、多くの方の支えによって成立しています。植木の手入れをしたり、大工仕事をしたり、掃除をしたり、食器を洗ったり、会計事務を行ったり、得意な料理を振る舞ったり、食べ物を差し入れしたり、知り合いに声をかけて紹介したり、戸締りをしたり。冬には、薪を作ったり、薪ストーブを点火したり。数え出したらキリがありません。単にお客さんとして利用するだけでない人々の協力によって、日々の運営が成立しています。

「居場所ハウス」である方が、「ここに関わる人は、欲、得、考える人はダメだからね。ちょっとでも考える人はダメ」と話されていましたが、この言葉の通り、多くの方々は海外からの寄付を受けて建設された場所を大切にしたいという思いで、地域が少しでも良くなればという思いで、そして、もちろん楽しみながら「居場所ハウス」に関わっておられます。

ただし、こうした方々の貢献は、一回訪れただけでは見えにくいのも事実です。と同時に、こうした方々ご自身も、自分の手柄しようとか、自分の名前を残そうと思っているわけでもなく、もしかすると、「自分にできることをやるのは当たり前じゃないか」と考えておられるかも知れません。

だからますます、こうした方々の思いや、声や、姿が外には伝わりにくいのですが、このような多くの方々の支えによって運営が成立している以上、こうした方々の思いや、声や、姿を伝えていきたいという思いに駆られます。それは、こうした方々の貢献を誰かに認知させるためというわけではなく、まずは、地域の方が当たり前のように振舞っている姿を残しておきたい、と。地域の人々にとっては当たり前のことでも、外部の者には当たり前でないことはたくさんあります。地域の人々にとっての当たり前を、あえて記録して、残して、伝えていくこと。これは、外部から来ている者にできる、1つのことではないかと思います。

ただ、こうした記録を残すことが、自分自身の名前を残して、自分自身の手柄になるのではないか? と言われると、そうかもしれませんが…

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