『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

地域を良くする仕事を望む若者@居場所ハウスにて

今日(2017年10月8日(日))、末崎町内に住む高校生の男の子が「居場所ハウス」の見学に来てくれました。
「将来は地域を良くする仕事に就きたい」という思いを抱いており、大学もこうした関連の学部に進学することを考えているとのこと。進学の準備としてNPOのことを調べていたら、自分の住む地元にNPO法人で運営されている「居場所ハウス」があると知った。中学生の頃、「居場所ハウス」には何度か来たことがあるが、その頃はNPO法人ということも知らなかったという話でした。
NPO法人の運営や会計(利益は出てもよいが会社のように分配はできないことなど)を聞いたり、スタッフや来訪者に「居場所ハウス」に来たきっかけ等を質問したりされていました。

大企業で働きたいではなく、「将来は地域を良くする仕事に就きたい」という思いが若い世代の方の中に広く共有されつつあるのだとすれば、時代は代わりつつあるのかなという印象を抱きました。
もちろん、あらゆる仕事は最終的には人々の暮らしを良くすること、地域を良くすることにつながっているとも言えます。けれども、貧富の格差、都市と地方の格差などの状況があり、また、都市が豊かになれば、いずれその影響が地方にももたらされる(トリクルダウン)というのも怪しい。地域を良くするとは何かが見えにくくなっているという状況もあると思われます。

大人たちが、地域を良くするためにはこんな仕事があるのだというたくさんのモデルを示せるとよいと思いますが、なかなかそういうモデルを示せないというのは、時代の変わり目であることの現れなのかもしれません。

大船渡市、及び、その近隣には大学がないため、今日見学に来てくれた男の子も、大学に進学する際には大船渡を離れることになりますが、大学に進学してから「生まれ育った故郷には、素晴らしい活動をしているNPO法人があった」と周りの人たちに自慢したくなるような場所に、「居場所ハウス」がなれればと思います。