『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

パートとボランティア

「居場所ハウス」では、1月中旬から3人の女性に月曜・火曜・金曜の3日間、パートで運営をお願いしています。パートの方が運営に携わっているとはいえ、パートの方と来訪者が一緒に話をしたり、先日ご紹介したように一緒にクルミ割りをしたり、また、イベント等で忙しい時はパートとボランティア・スタッフとが一緒になって準備をしています。このようにパートの方もボランティア・スタッフも、来訪者も一緒になって過ごせるのが「居場所ハウス」のよいところです。

140328-094350 140219-135850 140408-143134

一方、一緒になって過ごすのがよいことだとしても、パートでお給料をもらってるのだから、ボランティアや来訪者と一緒になって過ごすだけでいいのか? という声も何度か耳にしたことがあります。
しかし、パートの方が来訪者に対して、飲物や食べ物などのサービスを一方的に提供する/提供し過ぎることで、一般的なお店や施設のように、来訪者がサービスを受けるだけの利用者になってしまう、というのも「居場所ハウス」が目指す姿ではありません。

パート、ボランティア・スタッフ、そして来訪者と様々な立場の人が関わっている時、それぞれがどういう関係を築いていくかは難しいですし、今後みなで意見を交換しながら、よい関係を築いていけるようにする必要がありそうです。

以下は、こうした状況について個人的に考えていたことですが、飲物や食べ物を提供する以外にも、「居場所ハウス」を成立させるためには様々な仕事があります。部屋やトイレの掃除をしたり、花に水をやったり、掲示物を貼り替えたり、薪ストーブの掃除をしたり、薪割りをしたり、来訪者がいない時でも留守番をしたり等々。これらは決して目立つ仕事ではありませんが、誰かが定期的にやらねば、心地よい環境が損なわれてしまうような仕事。こうした仕事に対してこそ、対価を払うべきかなと思います。
もちろん、飲物や食べ物を提供するのも大切な仕事。パートの仕事は飲物や食べ物を提供することでなく、心地よい環境を整え、しつらえることであり、その一部として飲物や食べ物の提供があるという意識をみなで共有できれば? ということを考えていました。
ただし、(繰り返しになりますが)誰が来ても心地よく居られるような環境を整え、しつらえるような仕事をパートの方だけに押し付けるのは「居場所ハウス」が目指す姿ではありません。パートの方だけで、全てをやり切れるわけでもありません。
心地よい環境を整える仕事にはたくさんあります。だから、パートもボランティア・スタッフも、そして来訪者(例えば、野菜などを差し入れるということも、いい雰囲気作りに繋がります)も、心地よい環境を実現するために、それぞれができることを分担するというのが、目指す方向ではないかと… 今の時点では、そのように考えています。