『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

東北トリップ@居場所ハウス

3月28日(金)、「料理で国際交流」のイベントを行いました。これは、公文教育研究会(KUMON)主催の「東北トリップ」の一環として行われたものです。

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「東北トリップ」は「被災地の現状を知り、現地の方とふれあうことで、自分たちにできることを考え行動していけること」を目的として開催されているもので、今回は全国のKUMON教室に通う子ども14人と、各国から来られている大学の留学生が9人(出身国はスリランカ、インドネシア、タイ、ベトナム、ボツワナ、中国、フィリピン、パレスチナ)が参加。「居場所ハウス」を会場とする「料理で国際交流」には、地元のKUMON教室に通う子ども、13人も参加し、みなで大船渡の郷土料理と、留学生の国の料理を一緒に作り、食事をしました。
「居場所ハウス」側で準備した郷土料理は「ひっつみ汁」と「鍋焼き」。ひっつみ汁には鶏肉を使いますが、宗教上、肉を食べることができない方がいると聞いていたため、鶏肉の代わりにうす揚げを使いました。うす揚げの入ったひっつみ汁が、果たして郷土食なのか? と話し合いましたが、「食べられないもの作っても。来る人に合わせて、臨機応変にねぇ」というスタッフの提案で、うす揚げ入のひっつみ汁を作ることに。また、鍋焼きはホットケーキのようなもので、これは子どもたちにも焼くのを手伝ってもらいやすいと考え、選びました。

10時からスタートの予定でしたが、交通渋滞で「東北トリップ」の参加者の到着が少し遅れるとの連絡。そこで、予定を変更し、まず地元の教室に通う子どもたちに、鍋焼きとおにぎり作りをお願いすることにしました。

10時半過ぎ、「東北トリップ」の参加者が到着。挨拶をした後、早速、料理が始まりました。「東北トリップ」の参加者が用意してくださったのはベトナムの生春巻きとフィリピンのシニガンというスープ。こちらの郷土料理作りも体験してもらうため、鍋焼きを焼くのも手伝っていただきました。「居場所ハウス」のスタッフ、ボランティアは子どもたちの調理をサポート。調理器具を用意したり、みじん切りの方法を教えたり。生春巻きにつけるタレを作っている留学生の女性が、思ったような味にならないと言うのを聞いて、スタッフが味見。そして、「向こうではどういう味付けなのかわからないけど、薄いんじゃないか。醤油を入れたら? そしたら日本人好みの味になる」というアドバイスも。醤油をくわえたタレを味見して、留学生の女性も美味しい、と。

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料理が行われている脇では、90代の女性が留学生の方たちに津波の話をされていました。一緒に料理を作るだけでなく、こうした話を通して、震災の様子を知っていただけたのではないかと思います。

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12時15分頃からみなで食事。食事を終え、後片付けをし、13時過ぎ、表で記念の集合写真を撮りました。この後、「東北トリップ」の参加者、地元の教室に通う生徒は「ふるさとセンター」に向かいました。「ふるさとセンター」では英語のゲームと、被災地の本を保存修復されている方の話を聞くというプログラムが行われたようです。

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「東北トリップ」の後、以下のようなお礼のメールをいただきました。

みなさまには、事前に様々なご準備をしていただき、本日も臨機応変にご対応いただいたおかげで、思い出に残る楽しいイベントとなりました。本当にありがとうございました!
みなさまに作っていただいたお料理、すべてとても美味しかったです。イベント中、みなさまの明るさ、優しさをたくさん感じました。留学生もみなさんの明るさに感動したと語っておりました。

みなさまとのご縁をいただけて嬉しいです。居場所ハウスは東北の好きな場所の一つになりました。今後も様々なかたちで、ご一緒できれば幸いです。ぜひまた訪問させていただきたいです。

交通渋滞のため、一緒に過ごせる時間が短くなったのは残念でしたが、臨機応変に、柔軟に対応してくださった「居場所ハウス」のスタッフ、ボランティアの方々の力を垣間見ることができた1日でした。