『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

大船渡「居場所ハウス」からIbashoフィリピンへ②

土作りをした翌日の10月26日、種まきを行いました。表面の土に有機肥料を少しだけ混ぜた後、Kさんは次のような説明をしながらレタス(Pavo)、大根、カボチャの種をまいていきました。

  • レタス(Pavo):スコップを使って10cm間隔で溝を掘り(深さは3cmほど)、そこに種をパラパラとまいていく。育ってきたら苗を移動する。移動先には十分に水をやっておく。
  • 大根:大きく育つので、レタスより間隔を広めにして(25cm間隔)溝を作る。そこに種を2~3個ずつまいていく。苗が10cmほどに育ったら一番大きな苗を残し、他の苗は間引く。根を傷めないよう土が乾燥した時に間引く。
  • カボチャ:溝を作って2個ずつ種を植える。10〜20cmになったら移動させる。

Kさんの説明を聞き、やり方を真似てIbashoフィリピンのメンバーの方も種まき。先日耕した部分の3分の1ほどを使って種まきをしました。

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10月29日、農園を訪れるとレタスの芽が出ており、この部分に立てるため、地域の方がKさんの名前が書かれた看板を作ってくださいました。この日には、残り3分の2ほどの部分に白菜、ピーマン、ほうれん草の種をまきました。

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先日書いた内容の繰り返しとなりますが、今回、Kさんが伝えたことは大金がなくても、高度な技術がなくても始めることができることだったというのは大切なことだと感じます。
さらに、Ibashoフィリピンでは、農園作りがプロジェクトの目的ではなく、高齢者が地域で役割を担いながら、より良い地域を作りあげていくプロジェクトの一環として農園作りをしていることも大切なことではないかと感じました。
コミュニティ活動というと曖昧で何をするかわかりづらいですが、その一環として農園作りという具体的な活動があること。その活動を通して個々人が農業技術を身につけるだけでなく、身につけた技術が地域をより良くすることにつながるという見通しが持てるという位置づけになっていること。
Ibashoフィリピンでは農園で収穫した野菜をメンバーが買い取ることで活動資金とされています。これに加えて、10月25・26日には次のようなワークショップを開催しました。3年後にIbashoフィリピンのプロジェクトがどうなっていればよいかを描いた後、今までに取り組んできた農園とリサイクル活動を振り返り、それらを今後どのように展開するかについてアイディアを出し合うワークショップです。
ワークショップでは、収穫した野菜を屋台を使って販売したい、収穫した野菜を使って(栄養が不足している子どもたちのために)料理を提供したい等の意見が出されました。

農園での野菜作りという具体的な活動が、地域をより良くするのにつながっていくんだという見通しを、メンバーが共有することが大切なのだと思います。こうしたことを共有するための機会になったことが、今回のワークショップの1つの成果だと思います。

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種まきから1週間ほど経過しました。レタスなどの野菜も少しずつ芽が出ている頃でしょうか。今回、みなで植えた種が大きく育ち、収穫したという頼りをいただける日が待ち遠しいです。