『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

居場所ハウス:他の団体との連携により多世代にとっての場所を実現

今日(2017年11月4日(土))の「居場所ハウス」は子どもたちの声が響く1日となりました。

10時〜12時までは、大船渡市社会福祉協議会による「おでかけ広場」が開かれました。「おでかけ広場」はYSセンターの乳幼児の親子が気軽に集い、遊んだり、お喋りをしたり、子育ての不安や悩みを相談できる場所である「つどいの広場」の出張バージョンとして開かれているもので、以前は末崎地区サポートセンターで開催されていました。
2017年3月末で末崎地区サポートセンターが閉鎖になったのに伴い、6月からは「居場所ハウス」に場所を移して開催していただいています。

12時〜14時までは末崎中学校女子テニス部による三送会(3年生を送る会)が開催されました。女子テニス部の集まりが開かれたのは今日で3回目となります(1回目は2015年11月、2回目は2017年3月に開催)。
テニス部の子どもたちは朝から、3年生を交えての練習・試合をしてきたとのこと。三送会にはテニス部の子ども21人、教員・コーチ3人、保護者4人の28名が参加。挨拶の後、みなで食事。食事の後はビンゴゲームをしたり、記念品の贈呈をしたりして楽しい時間を過ごしていました。三送会の最後には、みなで月見台に並んで、食堂のスタッフらに昼食を料理してくれた感謝を述べる場面も見られました。

子どもにとっての場所ということでは、「居場所ハウス」では2017年4月から、毎週月・火・金曜の19時〜21時まで「一般社団法人子どものエンパワメントいわて」による「学びの部屋」も開催されています。「学びの部屋」は被災した子どもたちに勉強する環境を提供するためにスタートした活動で、現在は被災の有無に関わらず子どもたちの学習をサポートする活動として継続されています。以前は大田仮設で開かれていましたが、大田仮設は2017年3月末で閉鎖。4月からは「居場所ハウス」に場所を移して開催されることとなりました。
「学びの部屋」には小学生から高校生までの子どもが、毎回10名以上参加しているようです。

「おでかけ広場」も「三送会」も「学びの部屋」、「居場所ハウス」が主催した活動ではなく、他の団体から「居場所ハウス」を使わせて欲しいという依頼があり、開催されることになったもの。
他の団体との関わりにより、(「居場所ハウス」単独では難しい)多世代にとっての場所を実現していくことも、「居場所ハウス」が担い得る1つの役割だと思うと同時に、他の団体から依頼があるということは「居場所ハウス」の存在が地域に認知されてきたことの現れではないかとも考えています。