2018年3月に策定された「千里ニュータウン再生指針2018」には資料として「千里ニュータウン再生指針2018(史料編)」(以下、資料編)が作成されています。
目次の通り、「資料編」には千里ニュータウンについての様々なデータが掲載されています。
千里ニュータウン再生指針2018(資料編) 目次
- 1. 人口・コミュニティ
- 2. 住宅
- 3. 生活利便施設等
- 4. 福祉・教育
- 5. 公園・緑地等
- 6. 公共交通
- 7. 住民活動
- 8. 千里ニュータウンを取り巻く状況
近年、千里ニュータウンでは集合住宅の建替が進められており、これに伴い人口は増加に転じています。建替によって、住宅の種別はどのように変化しているのか。ここでは「資料編」に掲載されているデータを元に、近年の住宅種別の変化をみたいと思います。
近年の住宅種別の変化
所有関係別住宅数の変化のグラフを見ると、2005年から2017年の12年間で住宅数は増加していますが、その内訳を見ると民間の集合住宅(賃貸・分譲)、戸建住宅が増加している一方、公社賃貸、公社分譲、UR分譲、その他(給与住宅・寮等)が減少しています。特に民間の集合住宅(賃貸・分譲)は1万戸以上と急増しています。
近年の千里ニュータウンは、公的住宅(賃貸・分譲)が減少し、民間の集合住宅(賃貸・分譲)が増加しているという大きな変化があることがわかります。
この変化により、2017年時点では公的賃貸住宅・公的分譲住宅を合わせた住戸数が約半分、民間集合住宅(賃貸・分譲)、戸建住宅、その他(給与住宅・寮等)を合わせた住戸数が約半分となっています。
- グラフは「資料編」に掲載のデータを元に作成
- 「資料編」のデータは、公社賃貸、UR賃貸、府営住宅、市営住宅、公社分譲、UR分譲は大阪府提供データを参照したもの(2017年3月31日時点)。戸建住宅、民間集合、その他(給与住宅、寮等)はゼンリン住宅地図を用いて計数したもの(豊中市分2017年1月発行、吹田市分2017年6月発行)。一部、大阪府提供データ、およびインターネット上の不動産情報を参照し補足されている
- 公的分譲住宅のうち建替が終わった住戸は、公的分譲から民間集合に種別が変更されている
住区ごとの住宅種別の違い
グラフは2005年10月時点の住宅種別ごとの住戸数。上で見た変化前の時期の住戸数ですが、千里ニュータウン12住区では、公的賃貸住宅が約60%、民間集合住宅(賃貸・分譲)が約15%、戸建住宅が約15%となっています。ただし、住区ごとの住戸数を見ると、次のような特徴があることがわかります。
- 公的賃貸住宅の割合が大きい住区:竹見台、高野台、青山台
- 公的分譲住宅の割合が大きい住区:桃山台、新千里北町、新千里東町、新千里南町
- 民間集合住宅(賃貸・分譲)の割合が大きい住区:古江台、新千里西町
- 戸建住宅の割合が大きい住区:高野台、青山台、新千里北町
- その他(給与住宅・寮等)の割合が大きい住区:津雲台
- グラフは吹田市・豊中市千里ニュータウン連絡会議「千里ニュータウンの資料集(人口推移等)」(2017年10月1日)に掲載のデータを元に作成
- 「千里ニュータウン再生指針」(2007年10月)に大阪府・豊中市・吹田市・独立行政法人都市再生機構・大阪府住宅供給公社・財団法人大阪府タウン管理財団によって策定された際のデータを集計したもの
- 公的分譲住宅のうち建替が終わった住戸は、公的分譲から民間集合に種別が変更されている
参考
- 大阪府・豊中市・吹田市・独立行政法人都市再生機構・大阪府住宅供給公社・財団法人大阪府タウン管理財団「千里ニュータウン再生指針2018(史料編)」2018年3月
- 吹田市・豊中市千里ニュータウン連絡会議「千里ニュータウンの資料集(人口推移等)」2017年10月1日