アメリカ・メリーランド州における新型コロナウイルス感染症のワクチン接種（2021年1月）

※メリーランド州のワクチン接種のその後の動きはこちらの記事で紹介しています。

アメリカでは2020年12月から新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のワクチン接種が始められています。
2020年12月11日、アメリカのファイザー（Pfizer）とドイツのビオンテック（BioNTech）が共同開発したワクチンが食品医薬品局（Food and Drug Administration：FDA）から緊急使用の許可を得て、2020年12月14日から接種が始められました（※「アメリカでワクチン接種開始、工場から病院までの道のり　新型コロナウイルス」・『BBC News』2020年12月15日）。

この後、モデルナ（Moderna）製のワクチンも緊急認可。さらに、アストラゼネカ（AstraZeneca）製のワクチンが治験中とされています。

■ファイザー（Pfizer）＋ドイツのビオンテック（BioNTech）製のワクチン
・緊急使用許可
・初回接種後、3週間後に2回目を接種
・重症化防止の効果は95％
・注射部位の痛み、倦怠感、頭痛、悪寒の副作用の可能性がある

■モデルナ（Moderna）製のワクチン
・緊急使用許可
・初回接種後、4週間後に2回目を接種
・重症化防止の効果は94.1％
・注射部位の痛み、倦怠感、筋肉痛、関節痛、頭痛、悪寒の副作用の可能性がある

■アストラゼネカ（AstraZeneca）製のワクチン
・治験中
・初回接種後、4週間後に2回目を接種
・発熱、筋肉痛、頭痛、注射部位の痛みの副作用の可能性がある
※メリーランド州政府「covidLINK」の「Vaccine」のページに掲載されている情報

ここでは、アメリカ東海岸のメリーランド州（人口約600万人）におけるワクチンの接種状況をご紹介します*1）。

ワクチン接種のフェーズ

ワクチン接種のフェーズ

現在、メリーランド州では1日に約10,000万回のワクチン接種が行われていますが、ワクチン不足のため、感染可能性や重症化の相対的なリスクに基づいて5つのフェーズがもうけられ、優先順位の高い人々から順番にワクチン接種が行われています。

フェーズ1A

医療従事者（Health care workers）
特別養護老人ホームの入居者・スタッフ（Residents and staff of nursing homes）
緊急対応者、公衆安全、看守（First responders, public safety, corrections）

フェーズ1B

アシステッド・リビング、インデペンデント・リビング、発達障害者グループホーム、その他の集合施設（Assisted living, independent living, behavioral health and developmentally disabled group homes, and other congregate facilities）
75歳以上の人（Adults age 75 and older）
教育と行政の継続（Education and continuity of government）

フェーズ1C

65歳以上74歳以下の人（Adults age 65-74）
臨床検査サービス、農業、製造業、郵便などのエッセンシャルワーカー（Essential workers in lab services, agriculture, manufacturing, postal service, etc）

フェーズ2

16〜64歳の人で、併存症で重症化のリスクが高い人（Adults 16-64 at increased risk of severe COVID-19 illness due to comorbidities）
重要な公共設備（ガス・電気・水道）、輸送、フードサービスなどのエッセンシャルワーカー（Essential workers in critical utilities, transportation, food service, etc）