香港では、1960年代後半から1970年代にかけて「ニュータウン」(new town)という言葉が正式に採用され、これまでに9つのニュータウンが開発されてきました。
ヨーロッパ文化センター・イタリア「Time Space Existence」における香港中文大学(CUHK)のグループによる展示「「ニュー」ニュー・タウン」を見た後、いくつかの香港のニュータウンを歩く機会がありました。少し歩いただけのため表面的な印象に過ぎませんが、香港のニュータウンで見た光景をご紹介したいと思います。
屯門ニュータウン
屯門(Tuen Mun)ニュータウンは、1973年から第1期のニュータウンとして開発されました。面積3,267ha、計画人口58万9千人と非常に規模の大きなニュータウンです*1)。
屯門駅はMTR屯馬線の終点で、九龍半島の南端にある尖東(East Tsim Sha Tsui)駅から約45分の位置にあります。
屯門ニュータウンは、東西を山に囲まれており、山の間を流れる屯門川両岸の平らな土地と、南の海岸沿いに開発されています。屯門ニュータウンに限りませんが、香港は山が多く、土地にかなり高低差があることが印象に残っています。
MTRの屯門駅は、屯門川を覆うように作られており、駅の周りには高層の住宅が見られます。
(屯門駅)
屯門ニュータウン内はライトレール(軽鉄)が運行。このライトレールの路線は、西から屯門ニュータウン、天水囲ニュータウン、元朗ニュータウンの香港西部にある3つのニュータウンを結んでいます。
(ライトレールの線路)
屯門駅の南東(屯門川の東岸)には屯門公園という大きな公園。屯門公園の東側に政府庁舎、ショッピングモール、タウンホールなどがあります。
(屯門公園)
屯門川の両岸は遊歩道が整備。自転車専用のレーンがもうけられている部分もあります。屯門川には屋根のかかった橋が架けられています。橋の上から釣りをしている男性を見かけました。
(屯門川沿いの遊歩道)
(天后橋)
(友愛橋)
屯門川からは、海沿いに建設されている高層の住棟を見ることができます。
(屯門川から南を望む)
■注
- 1)面積と人口は、ヨーロッパ文化センター・イタリア「Time Space Existence」における香港中文大学(CUHK)のグループによる展示「“New” New Town」を参照している。