『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

千里ニュータウン「ひがしまち街角広場」の役割:スタッフ日誌より

千里ニュータウン新千里東町の「ひがしまち街角広場」は、2001年9月30日のオープン以来、近隣センターの空き店舗を活用して、約19年にわたり住民ボランティアにより運営が継続されてきました。

来訪者は1日に約35人で、オープンから約20万人が訪れたことになります。

スタッフと来訪者の中心は高齢の世代であるため、一見すると高齢者が集まっているように見えます。
しかし、「ひがしまち街角広場」は決して高齢者だけが集まる場所ではありません。このことを、この数年のスタッフ日誌のいくつかの記録を通してご紹介したいと思います。

地震時の避難所

「6月19日7:58分地震のため臨時休業。避難所として利用する」
※2018年6月19日のスタッフ日誌より

2018年6月19日の朝、大阪府北部地震が発生し、豊中市でも震度5強を記録しました(最大震度は6弱)。この記録からは、「ひがしまち街角広場」が避難所として開放されたことが伺えます。

若い世代にとっての場所

「今日は台風の為 りんじ休業しようと思っていたのですが幼稚園のお母さん達がまちかまえておられたので開けました。」
※2018年7月4日のスタッフ日誌より

「ひがしまち街角広場」には、近隣センターのすぐ隣にあるアソカ幼稚園に子どもを預けている間、母親たちが集まる場所にもなっています。この記録からは、母親たちが「ひがしまち街角広場」のオープンを「まちかまえて」いることが伺えます。

小学校への協力

「9時半から東丘小2年生の町探検があるという事で9時半開店。○○さん、○○さんが街角の紹介。○○が陶器とりかえ隊の説明。」
※2017年6月12月のスタッフ日誌より

東丘小学校は近隣センターのすぐ隣に位置しており、「ひがしまち街角広場」は、子どもたちが学校帰りなどに水を飲みに立ち寄る場所になっています。この記録からは授業への協力というかたちでも、「ひがしまち街角広場」と東丘小学校とのつながりがあることがわかります。

視察・見学への対応

「垂水から24名見学に見えました。」
※2017年3月14日のスタッフ日誌より

「堺市からの視察11名」
※2018年11月13日のスタッフ日誌より

「ドイツからの留学生が見学にみえました(10人) 先生3人」
※2017年9月13日のスタッフ日誌より

「イギリスより視察1名他8名・・・・・・。紅茶のお土産がありました。2箱。お返しは生姜湯2箱渡しました。」
※2019年3月19日のスタッフ日誌より

「ひがしまち街角広場」は、まちの居場所(コミュニティ・カフェ)のモデルとして、国内外から注目され、視察・見学を受け入れてきたこと、言い換えれば、新千里東町が他の地域につながる窓口としての役割を担ってきたことがわかります。


これらのスタッフ日誌の記録は限られた情報に過ぎませんが、「ひがしまち街角広場」が多様な役割を担ってきたことがお分かりいただけると思います。