『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

それぞれの場所で自由に過ごせること

訪れた人がみなで一緒の活動をしたり、みなで一緒に会話したりせず、それぞれの人がそれぞれの場所で思い思いに過ごしたり、話したりできる、時には一人で過ごせるのが「居場所ハウス」の良いところです。

写真はある日の「居場所ハウス」の様子。カウンターを囲んで女性4人(写真右奥)、グランドピアノ横のテーブルで女性4人(写真左奥)、テーブルでは男性2人(写真中央)と女性2人(写真右手前)の2組というように、それぞれに話をする人々。もちろん、「居場所ハウス」は大都市にあるカフェのように、見ず知らずの人々が訪れるわけではありません。みな互いに顔見知りであることがほとんどなので、入って来る時は「こんにちは」と挨拶したり、ちょっとした会話を交わすことはありますが、みなで一緒に活動したり、会話したりすることが求められるわけではありません。写真のような光景が、「居場所ハウス」では時々見られます。

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「コミュニティ」という言葉から、みなで一緒に活動したり、会話したりするイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、そのような場所ばかりでは息が詰まります。仕事の合間にちょっと休憩しに来る人や、1人でゆっくりお茶を飲みたいという人が来た時、活動や会話に参加しなくても、肩身の狭い思いをせずにゆっくり過ごせることも大切だと思います。訪れた人々が、それぞれの場所で、自由に過ごしているということは、「居場所ハウス」がこれからも守っていくべき大切な価値です。

8月23日(土)、碁石海岸で「三陸国際芸術祭2014」の一貫として、コミュニティ・ダンスが行われますが、この日はダンスを主催される方もやって来られました。ダンスでは保育園の園児が竹を叩いて楽器にするけれど、まだ竹を入手できていないとのこと。その話をされたところ、「居場所ハウス」に使わない竹があるから、それを使っていいよという話に。早速、「居場所ハウス」のメンバーのKさんが、手際よく竹を切ってくださいました。

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「居場所ハウス」では日々、色々な人が訪れ、色々なことが起こります。