『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

BRT大船渡線について

大船渡と気仙沼の間を運行するBRT(Bus Rapid Transit)は、2018年4月1日から一部の駅名、運行ダイヤが改定されています。

  • 「陸前高田」(※陸前高田市役所前)→「栃ヶ沢公園」に駅名変更
  • 「まちなか陸前高田」→「陸前高田」(※アバッセ高田前)に駅名変更

また、気仙沼方面と陸前矢作方面の分岐が、「陸前高田」(陸前高田市役所前)から「陸前高田」(※アバッセ高田前)に変更になっています。さらに、一部「高田病院前」「高田高校前」を経由しない便も運行されるようになりました。この便は農免道を通らず、沿岸部を走行することになります。

改定前

大船渡→→→脇ノ沢→高田病院→高田高校前→まちなか陸前高田(※アバッセ高田前)→陸前高田(※陸前高田市役所前/陸前矢作方面乗換)→奇跡の一本松→→→気仙沼

改定後

大船渡→→→脇ノ沢→高田病院→高田高校前→陸前高田(※アバッセ高田前/陸前矢作方面乗換)→奇跡の一本松→→→気仙沼

改定後(一部の便)

大船渡→→→脇ノ沢→陸前高田(※アバッセ高田前/陸前矢作方面乗換)→奇跡の一本松→→→気仙沼

この改定により「高田病院」「高田高校前」を経由しない便では、大船渡から気仙沼まで行く際の所要時間が10分ほど短縮されています。

震災前、大船渡と気仙沼の区間はJR大船渡線が運行していましたが、津波による被害を受け、鉄路ではなくBRTでの復興とすることが決定されました。残されていた線路はBRT専用道とされ、既に大船渡市内ではBRTは全区間で専用道を走行しています。

  • 走っているのはバスだが、専用道を走行するため大きな遅延はない(交通渋滞に巻き込まれない)。
  • BRTの駅は、バス停として柔軟に位置の変更・新設が可能(大船渡市内では「大船渡魚市場前」駅、「碁石海岸口」駅がBRTになってから新設)。
  • 一般道も走行できるので、復興の進展に応じて柔軟なルート設定・運行が可能。また、大雨による土砂崩れなど専用道を走行できない場合にも一般道を迂回できる。
  • JRの時に比べると、BRTになって運行本数が増加。現在、少なくとも1時間に1本、朝夕は30分に1本が運行(列車に比べてバスはすれ違いがしやすい)。

このような柔軟な特徴を持つBRTは、震災からの復興の局面だけでなく、(BRT駅までのアクセスをどうするかは課題になるものの)今後、高齢化・人口減少がさらに進む地域における日常の足として活躍できる大きな可能性を持っていると思います。

この他、SUICAなどの交通系電子マネーが利用できるのも(気仙沼・一ノ関間のJR大船渡線では利用できない)、バス降車時に小銭を出さなくてもいいという点で便利だと思います。


なお、BRTの問題としては次の点があげられます。

まず、よく言われるのは、JRの時は大船渡から一ノ関まで乗り換えなしで行けたのに、BRTになって気仙沼で必ず乗り換えが必要になったということです。
当初はBRT専用道に一般の車が入り込んでしまったことがあったようです。BRTはJRの代替とはいえ、知らない人から見れば「普通のバスが走ってる」ように見えるから。これについては、BRT専用道の出入り口に遮断機が設置するという対応がされています。
「普通のバスが走ってる」ように見えることに起因する問題として、踏切でBRTと車が衝突したという話を何度か聞いたことがあります。「踏切では一旦停止する」ことは運転免許を取得する際に教えられますが、BRT専用道と一般道が交わる部分は「踏切には見えない」。そのため一旦停止しないことが原因だったようです。ただ、最近は正面衝突したという話は聞かなくなりましたので、慣れによって解決することかもしれません。

BRTの問題として以上のようなことを思いつきますが、デメリットよりメリットの方が上回ってると感じています。

(更新:2018年4月6日)