今秋、新千里東町の「ひがしまち街角広場」がオープン10周年を迎えます。
これまで、「ひがしまち街角広場」は地域でどのような役割を果たしてきたのかを振り返り、そして、今後のあり方を考えるきっかけとするために、千里グッズの会としてアンケート調査を実施させていただくことになりました。
「ひがしまち街角広場」の価値を地域で共有するために少しでも力になれるよう、結果を上手く還元していきたいと思います。
少し話しは変わりますが、昨年、日本建築学会の大会において「「利用」の時代の建築学へ」という研究協議会が開催されました。「ひがしまち街角広場」のように、ゼロから新たに作られた場所ではなく、近隣センターの空店舗という既にあるもの上手く「利用」していくことが、ますます主流になっていくであろうこれからの時代において、では、建築の専門家はそこにどのように関われるか? という問題意識から開催された協議会です。
この時代に「専門家」とは何か、彼/彼女は一体何を成し得るか、起案し指導し提供する者ではなく、人びとに「寄り添い」「伴走する」者であるという表現が、かなり烏滸がましくはあるが、多少の意味を持ち得るのかもしれない。
*舟橋國男「「サードプレイス」考」・『建築と社会』2011年4月
○○についての研究が、常にその○○を研究対象として措定することを必要とするのであれば、研究すること自体が研究者と○○(例えば、地域の人々)との間にある〈距離〉を生み出してしまう。この〈距離〉を存在しないものとして振る舞うのでもなく、逆に、遠く離れたところに逃げるのでもなく、この〈距離〉にきちんと向き合って、少しでも〈距離〉を縮めようとすること。可能なら、それを乗り越えることができるあり方を見つけること。専門家・研究者が、烏滸がましくも地域に「「寄り添い」「伴走する」者」であろうとするなら、避けては通れないことだと考えています。
今回の「ひがしまち街角広場」でのアンケート調査は、自分自身にとっても、色々な物事を見つけていくための機会にしたいと思います。
専門家として、研究者としてこんなことを書くのは甘えたことなのかもしれませんが、自分自身が、地域の人たちに育ててもらってる気がします。