『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

「居場所ハウス」のひな人形

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「居場所ハウス」には寄贈された大きな雛人形があります。
震災などで家庭に雛人形のない子どももいるはず。そういう子どもたちに(もちろん、大人にも)、雛人形と一緒に写真を撮る行事をしてはどうか? という話から、3月1日(土)、「居場所ハウス」にて雛祭りの行事をすることとなりました。

ある方が、雛祭りの行事について、「昔からおうちに伝わるなつかしの雛人形(土人形・布人形のようなものとか)を持ってる方に貸してもらい展示する」、このことで、昔の雛人形はこんなものだったという「文化の交流・継承にもなる」というメモを書いたところ、
それを見た方が「うちに70年前の、泥人形あるよ」と言ってくださり、早速、「居場所ハウス」に持って来てくださいました。

持って来てくださったのは、8体の人形。大きな赤い4体の人形は70年ほど前のもの、残り4体は50年ほど前のもの。いずれも、陸前高田市の今泉地区(津波の被害を受けた地域です)の「まちの日」で購入したもの。今泉の実家から、震災前に大船渡に持って来ていたため、津波の被害を免れたとのこと。「今泉地区はお金持ちが多くて。呉服屋とかの前に飾ってあった」、大きな赤い土人形は「私が生まれた時からある。うちはお金持ちじゃなかったから、毎年、まちの日に1つずつ買ってもらった」。ただ、実家にはもっと多くの人形があり、流されてしまった、と。
人形を見たある方からは、「よく残ってたなぁ。全部、投げて〔捨てて〕しまった。今ではお宝だよ」というコメント。

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この貴重な土人形は、3月1日の雛祭り当日にお借りして、展示する予定です。この他、「おはなしコロリン」さんよりお借りした紙芝居の朗読なども行う予定です。地域の方へは、チラシ等でご案内させていただきます。

自分たちの暮らしを改めて見つめ直し、次の世代へと意識的に伝えていける場所。これも「居場所ハウス」の1つの役割です。

*追記
先日の「東海新報」に、土人形について次のような記事が掲載されていると教えていただきました。土人形は、高田人形と呼ばれ、今となっては貴重なものだとのこと。3月1日はぜひ「居場所ハウス」にお越しください。

高田人形は江戸時代末期から昭和30年代ころまで、農家や左官職人の副業として作られていたとされる土製の人形。胡粉(ごふん)で彩色され、魔よけの赤に白梅の模様を描いたものが多い。
現在では保存する家庭も少ない上、大津波によって流出したものも多数あり、さらに貴重な品となった。男雛・女雛に限らず、三味線を弾いたり、水桶を運んだり、子守りをしたりと、女性たちの日常をかたどった人形には、どこか懐かしい素朴な味わいがある。
※「きらびやか7段飾り 貴重な「高田人形」も」・『東海新報』2014年2月16日

(更新:2014年2月25日)