『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

気仙茶を楽しむ

3月15日(土)の午後、「居場所ハウス」で「気仙茶を楽しむ会」が行われました。

気仙地方は製茶工場がある茶産地としては日本最北。この地方では江戸時代からお茶の栽培が行われており、今ではかつてほど栽培されなくなっていますが、それでも数十軒の生産者が、生葉を摘んで製茶工場に加工委託しているとのこと。「北限の茶を守る気仙茶の会」は気仙茶を守り育てるため、「気仙茶の茶樹の管理育成」、「気仙茶にまつわる地域の歴史の掘り起し」、「気仙茶の魅力の普及啓発」を行うグループです(「北限の茶を守る気仙茶の会」ウェブサイトより)。

今回のお茶淹れ人は「北限の茶を守る気仙茶の会」のメンバーで、「焙茶工房しゃおしゃん」を主催する前田千香子さん。イベント自体は盛岡市中央公民館の出前公民館講座の一貫として行われました。

20数名の参加者の中にも、お茶を摘んだり、緑茶を作った経験のある方がいて、前田さんが持参された茶摘みや緑茶作りの写真を見ながら、自分はこうやったと、お茶を揉む仕草をしながら、昔の話を聞かせてくださる方もいました。また、気仙茶の話だけでなく、煎り鍋でつくる「鍋焼き」という郷土料理(「居場所ハウス」ではスタッフの方がよく作ってくださいます)や、麦を撒いた後、モグラに荒らされないよう、子どもがナマコを引きずって歩く「なまこ引き」などまで話が広がりました。

140315-134807 140315-135559 140315-143144 140315-144612

お茶うけのため、手作りの芋ようかんと漬物を持って来てくださる方、朝、末崎中学校で買ったばかりのワカメの天麩羅を作ってくださる方も。

140315-145100 140315-145415

今日のイベントの主催者は、「90代の方から気仙茶の話が聞けたのは貴重だった」、「またゆっくりと話を聞きに来たい」と言ってくださっています。
かつては身の回りに当たり前のようにあったが、今ではだんだんと忘れされていこうとしている物や、それにまつわる記憶。「居場所ハウス」が、そうしたものを継承するための場を提供できればと思います。