『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

居場所ハウスのイベント・団体利用

「居場所ハウス」は日常的にはカフェスペースとして運営していますが、イベントを行ったり、団体での利用があったりします。2013年6月13日のオープンからの1年半の間に行なわれた様々な活動を分類し、集計しました。活動は、回数が多い順番に並べると次のようになります(以下、( )内の数字はオープンから2014年12月末までの回数を表す)。

  • ① 健康クラブ(健康教室)(67回):毎週、水曜日の朝行なわれている、末崎地区サポートセンター主催の「居場所健康クラブ」。「居場所ハウス」のオープン当初は、末崎町住宅介護支援センターが主催する「いきいき健康教室」としてスタート。
  • ② 会議(56回):毎月欠かさる行われている「居場所ハウス」の定例会をはじめ、同級会の打合せ、民生委員、西ロータリークラブなどの団体の会議。
  • ③ 教室(48回):現在、毎月開かれている生け花教室、囲碁教室と、そば打ち、磯花寿司、竹とんぼ作りなど末崎町や近隣にお住まいの人を講師とする教室、陶芸教室、和服リメイクなど遠方から来てくださった方が講師となる教室。
  • ④ 懇親会・食事会(28回):地域の人たちの食事会、同級会や、「居場所ハウス」主催のイベントが行なわれた後の慰労会など。
  • ⑤ 交流イベント(16回):「居場所ハウス」が主催する感謝祭、盆踊り、ひな祭りと、10月からスタートした居場所キッズデー、被災者の支援として行われた交流イベントなど。
  • ⑥ 音楽(13回):国内外のミュージシャンによる音楽演奏会、ライブ。
  • ⑦ サークル・同好会(11回):カラオケ同好会、大正琴の会の練習など。
  • ⑧ 体操・セラピー(10回):手もみ、ヨガ、コミュニティダンスなど。
  • ⑨ 講演会(5回):「居場所ハウス」のオープニングの日に行ったシンポジウム、健康講演会など。
  • ⑩ 朝市(5回):2014年10月25日からスタートした「居場所ハウス」の朝市。
  • ⑪ その他(19回)
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半年ごとに時期を区切ってみると、オープニングから現在までで行なわれている活動が変化しているのがわかります。
オープン当初から現在まで「① 健康クラブ(健康教室)」「②会議」は多数行なわれていることに変わりありません。上に書いたように「居場所健康クラブ」は毎週、「居場所ハウス」の定例会は毎月開かれています。
最近行なわれるようになった活動は「③教室」「⑩朝市」です。「③教室」については、生け花教室と囲碁教室が定期的に行なわれるようになったのに加えて、「居場所ハウス」でもそば打ち、磯花寿司、日本茶などの教室を主催しています。高齢の方が身につけた知恵・技術を継承するというのが「居場所ハウス」の理念であるため、今後も地域の高齢者を講師とする教室を開催すると思います。ただ、様々な教室を開催していると、高齢者は身につけた知恵・技術を伝えるだけの存在ではなく、高齢者になっても様々なことを学べる存在でもあることに気付かされました。
一方、最近は回数が減った活動には「⑥ 音楽」「④懇親会・食事会」「⑦サークル・同好会」があります。「⑥ 音楽」については、「居場所ハウス」では被災地支援として来てくださった方による演奏会やライブが中心でした。震災から時間が経過することで、そのような機会が減ってきたことの現れかもしれません。また、「居場所ハウス」は音響など演奏するための環境には相応しくないことがあるのかもしれません。「⑦サークル・同好会」については、以前定期的に行なわれていたカラオケ同好会が、近くにある末崎地区公民館(ふるさとセンター)に場所を移して開催されるようになったこと、当初「おたすけ隊」(末崎地区サポートセンターで開催されている「おたすけクラブ」参加者有志)の集まりが行なわれていたのが、現在「おたすけ隊」は毎週土曜日にボランティアとして運営に参加してくださるようになったことなどの変化があります。

イベント・団体利用は、新たな人が「居場所ハウス」に来るようになるきっかけになりますが、反面、イベント・団体利用が行われている時(大人数での活動の場合は特に)お茶を飲みに来た人が入りづらい、ゆっくりできないという影響もあり、バランスは難しいところです。幸い、「居場所ハウス」はスペースが広く、末崎町内の人の利用が多いため(全く見知らぬ人がイベント・団体利用をするわけではないため)、お茶を飲みに来た人が、イベント・団体利用の様子を眺めたり、参加者と会話を交わしたりできるのは恵まれていると思います。
今後、どのような活動をするかは「居場所ハウス」のメンバーと議論しながら、また、末崎地区公民館(ふるさとセンター)など近隣にある場所と役割分担しながら決めていきたいと思います。

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