『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

フィリピンからの帰国後

フィリピン訪問を終え、今回現地で考えたこと、感じたことを「居場所ハウス」のSさん、Kさんが話をしてくださいました。

2人とも、フィリピンは台風被害を受けたにも関わらず、人々のコツコツと物を作る姿勢や、自分たちを明るく迎えてもらったことに感銘を受けたと話されました。
「ものすごくみなさんが明るい。こんな災害に遭っても、それを顔に見せない。それはものすごく感じたね。このことは大船渡に帰ってみなさんに訴えたい」とKさん。「カナンガでは一生懸命大工仕事をしてる姿を見て、本当に感心することが多かったですね。オルモックでも「居場所」を作るということで、思いを持って集まってる人がいましたので、立派な「居場所」が徐々にできるという感じがしました。我々も勇気をもらったので、もっともっと頑張らないといけないと思いましたね」とSさん。

フィリピンに比べたら、日本の人々は守られ過ぎてるんじゃないか、そういう自分たちのあり方を見つめ直さなければならないと思った、ということも2人は話されました。

「もっともっと我々が成長しなければならない、またやることがいっぱいあるというのを、今回、特に感じた。だから「居場所ハウス」に帰ったら、オルモックの考え方、やり方をきちっとみなさんに訴えたい。それによって、今後の「居場所ハウス」がいい方向になったら。もっといい「居場所ハウス」にしたい。それが現在、私が思ってること」とKさん。「フィリピンの人々が前向きな姿勢でああいうふうにやってることに対して、我々は心を持ってやらねばならないのかなと。我々はまだちょっと甘いかなと思った。もっと考え直して、前向きにやらないといけない。勇気というかね、心、そういった姿勢を学んだので、それをいかしてやっていきたいと思います」とSさん。

「居場所ハウス」は、まず地元である末崎町をより良い地域にすることを目的として活動していますし、それは今後も変わることはありません。
ただし、(フィリピンに限らず)地域の外とつながること、地域の外の人々との教えたり/教えられたりという関係を築くことの結果として「居場所ハウス」が、さらに末崎町がより良くなることもあると思います。どういうかたちでの関係を築いていけるか、それに対してどういうお手伝いができるのか、これから考えていきたいと思います。

フィリピンについても、Kさんは大工仕事も、野菜作りも、もっともっと伝えたいことがあるから何度も訪問したいと話されています。そう簡単に行き来できる距離ではありませんが(大船渡から仙台空港まで約4時間、仙台空港から成田空港まで約1時間、成田空港からセブ空港まで約5時間、セブからオルモックまでフェリーで約3時間)、何らかのかたちで関係を継続できればと思います。
帰国後、Kさん、Sさんは台風の被災地への義援金を集めるための募金箱を「居場所ハウス」に設置されたとのことです。

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