『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

「まちの居場所」の運営と地域の資源

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「居場所ハウス」では8月15日(土)に納涼盆踊りを開催します。

「居場所ハウス」の前では納涼盆踊りに向けた櫓作りが始まりました。櫓で使う太鼓、提灯は近くの公民館からお借りしました。地域にどのようなものが、どこに保管されているかを知っている人が運営に関わっているからこそ、「居場所ハウス」では地域にある様々なものを運営に生かすことができます。

ここで考えてみたいのは地域の資源を活動に生かすということです。
まちの居場所(コミュニティ・カフェ)では「地域の資源を運営に生かしましょう」ということが言われます。地域の資源を見つけるというワークショップが行われることもあります。しかし、これは地域の資源を活動に生かすことの片面に過ぎないと思います。

「居場所ハウス」では近くで農園を作っています。農園にしている土地は、長い間休耕地だった土地。「居場所ハウス」がなければ有効に活用されることはなかったかもしれません。「居場所ハウス」があるからこそ、休耕地が農園の土地という資源として認識されるようになりました。

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農園に限らず、当初は(ワークショップの時には)価値がないものとして見向きもされなかったものが、運営をしていく上で思いがけず役に立ったということはしばしばあります。「まさか、こんなものが役に立つなんて思ってもみなかった」と事後的に思い知らされることが。こう考えると、まちの居場所には地域のものを資源化する役割があると言えます。

けれども、こうしたプロセスを省いて、外から眺めると、まちの居場所では地域の資源を上手く活用して運営されているように見えるのかもしれません。けれども繰り返しになりますが、元々資源だと思っていたから運営に活用したものだけでなく、運営を通して思いがけず資源になったものもあります。

まちの居場所を運営することは、地域をそれまでとは違った尺度(価値観)で認識し直すためのきっかけを与えるものだと言ってよいのかもしれません。

(更新:2015年8月14日)