日本建築学会環境行動研究小委員会の先生方と共に刊行した「まちの居場所」に関する新刊書、日本建築学会編『まちの居場所:ささえる/まもる/そだてる/つなぐ』(鹿島出版会, 2019年)に、大阪府千里ニュータウンの「ひがしまち街角広場」(Chapter 1)と、岩手県大船渡市の「居場所ハウス」(Chapter 10)のことを紹介させていただきました。
他の先生方が執筆された章も非常に興味深い内容になっていますので、ぜひご覧いただければと思います。
まちの居場所:ささえる/まもる/そだてる/つなぐ
私的でも形式的でもない、人びとの思い思いの居方を許容する「まちの居場所」という拠点概念。その発生・発見から継続されてきた研究の集大成。
1990年代後半、さまざまな「まちの居場所」が生まれた。福祉施設やフリースクール、コミュニティカフェといったかたちをとって出現したそれらは、まちにおける生活の質の向上・改善を目指す「あるじ」によって生み出され、人びとに見慣れたまちの再考・見直しを促した。本書では長期にわたって継続されてきた研究の成果に立脚し、「まちの居場所」発生以後の動きや最新の事例を加えながら、「まちの居場所」をいかに支援・保全・育成・継承していくかに焦点を当てている。
目次
はじめに
Part 1:「まちの居場所」をめぐる最新の動き
Chapter 1:「まちの居場所」の広がり
Chapter 2:「まちの居場所」の背景と意味
Chapter 3:当事者による場づくりの時代
Part 2:研究・調査・実践事例を通した「まちの居場所」をめぐる論考
Chapter 4:マギーズセンター――生きる希望を失わせない環境
Chapter 5:パブリックシェルターとしての「まちの居場所」
Chapter 6:フリースクールはなぜ居やすいか――教育制度の境界におかれる「子どもの学びの場」の育て方
Chapter 7:戸外の居場所――居場所としてのまち
Chapter 8:「福祉」の視点で見た「まちの居場所」
Chapter 9:人びとをつなぐプラットフォームとプレイスメイキング
Chapter 10:誰もが役割をもてる施設ではない場所――居場所ハウス
Chapter 11:「まちの居場所」としての公共図書館
Chapter 12:私有を共有する居場所――インドネシアのバレバレ
Chapter 13:使いこなしによって自ら獲得する「まちの居場所」
Part 3:「まちの居場所」の事例と文献の紹介
Chapter 14:「まちの居場所」のアイデアガイド
Chapter 15:「まちの居場所」のブックガイド
おわりに