『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

居場所ハウスの日常を伝える

朝市があったり、大きな行事があったりしてバタバタとすることが多い「居場所ハウス」の週末。けれども、この週末は行事もなく、ゆっくりと過ごすことができました。そんな「居場所ハウス」の週末の様子をご紹介したいと思います。
今日(5月15日(日))も、昨日に引き続き気持ちのよい快晴の日。行事がある時のように大勢の来訪者はありませんでしたが、それでも人の来訪が途絶えることはありませんでした。

お昼頃、NPO法人「おはなしころりん」による「移動こども図書館」が開かれ、何人かの方が本を眺めたり、買ったり、スタッフを話をしたりしていました。「移動こども図書館」は末崎町では、毎月第3日曜日に仮設住宅と「居場所ハウス」を巡回されています。仮設住宅の集約に伴いコースの変更を検討されているようですが、引き続き「居場所ハウス」には巡回してくださるとのこと。
今日の日替わりランチは、そぼろご飯、うどん、スナックエンドウのサラダ、フキの炊いたもの、など。「おはなしころりん」の2人は、「こんなにボリュームがあって450円って安い。毎日でも食べに来たい」などと話をしたり、「おたすけ隊」のメンバーにフキやワラビの調理方法を聞いたりしながら、お昼を食べて帰ってくださいました。

午後、「居場所ハウス」の近くに移転して来た男性が、立方体の積み木を持って来てくださいました。木工を得意とされておられ、表札や飾りなど色々な物を作って来てくださる方。「木の手触りがいいね」、「これやると、やめられないね」と言いながら、ばらしたピースを(苦労して?)立方体に組み立てるメンバー。それを聞いて「じゃあまた大きくて、組み立てるのが難しいの持って来るか」と言う男性。
「デジタル公民館まっさき」の方からは画集、写真集など何冊かの本を寄贈していただきました。寄贈された本に寄贈者と日付を書き込んで整理する方。
家の前に綺麗な藤の花が咲いたと言う方は、「ここまで大きくするのに7年かかった」と言いい、藤の花の写真を見せてくださいました。「そこに藤の花があるの気づかなかった。帰る時に見てみよう」という方。
中学の女の子、3人も遊びに来てくれました。1人の女の子は、テーブルの上に置いていた熊本地震の募金箱に募金してくれました。

このような行事のない日もかけがえのない1日。しかし、行事の日は新聞が取材に来てくださったり、色々な方が支援に来てFacebookなどに投稿してくださったりする反面、行事のない日のことはなかなか様子をお伝えする機会がありません。
上にご紹介した1つ1つはささやかな出来事かもしれませんが、このような1つ1つが地域の暮らしの風景を形作っているのだと感じます。重要なことは、「居場所ハウス」という地域の人々が日常的に出入りする具体的な場所があるからこそ、こうした1つ1つの出来事がつながり、広がりをもつ可能性があるということ。

「居場所ハウス」の日常の様子が少しでもお伝えできればと思います。

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