『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

岩手県大船渡市からの便り②(豊中駅前まちづくりニュースへの寄稿)

大阪府豊中市の「有限会社豊中駅前まちづくり会社」が発行する『豊中駅前まちづくりニュース』(Vol.172 2016年4月15日号)に寄稿させていただいた2回目の文章です。

豊中への便り:岩手県大船渡市からの便り②

前回ご紹介した通り、「居場所ハウス」で大切にしているのは、高齢者が自分にできる役割を担って運営に関われる場所を実現すること。そのためには人々の関係をサービスする側/される側という固定されたものにせず、緩やかなものにしておく必要があります。「居場所ハウス」は毎日1〜2人のスタッフが運営を担当していますが、スタッフが忙しい時は来訪者が食器を洗ったり、逆に、時間がある時はスタッフと来訪者が一緒に話をしたりする光景が見られます。
誰かのために「何かをやってあげたい」という思いは大切であり、その実践は何かをする側にもされる側にも喜びを生みます。けれども、これが一方通行になれば、する側/される側の関係が固定化され、依存関係が生み出される可能性がある。悪意からでなく「何かをやってあげたい」という善意から依存関係が生み出される可能性があるからこそ、主客の関係を緩やかなものにすることを常に意識しておくことが大切です。

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