『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

居場所ハウスの来訪者

「居場所ハウス」の来訪者の中心は、近くにお住まいの高齢者が中心ですが、日によっては様々な人がやって来ることがあります。先日、2019年4月23日(火)の様子をご紹介します。

毎月第4火曜、「居場所ハウス」ではNPO法人・大船渡共生まちづくりの会の「碁石サロン」が開かれています。
当初は碁石地区コミュニティセンターで開かれていましたが、「居場所ハウス」だと昼食もできるということで、2016年3月からは「居場所ハウス」に場所を移して開催されるようになりました。

「碁石サロン」は大船渡共生まちづくりの会のスタッフの送迎により開催。先日(2019年4月23日(火))は、初参加の方を含めて6人が参加。10時から14時まで、途中、食事も挟んでゆっくりと過ごしておられました。途中、碁石方面に伝わる「アイヤ」に合わせて踊る場面も。

参加されている方は末崎町の碁石方面の高齢の女性が中心ですが、中には「居場所ハウス」のある平地区にお住いの方もいます。この方は碁石方面にある泊里地区にお住まいでしたが(津波による大きな被害を受け泊里地区は解散)、津波に被災し平地区に高台移転。毎月の「碁石サロン」はかつて近所に住んでいた方々と再会できる機会として、楽しみにされています。「碁石サロン」の参加者にお茶を入れたり、食事の注文をとったりと、お世話をされていました。
お客さんとして利用するだけでなく、何らかの役割を担うことで、その場所は居場所になる。この風景を見て、この方にとって「居場所ハウス」は居場所になっているのだと思いました。

この日、午後からは子どもたちが宿題をしにやって来ました。
「居場所ハウス」の運営時間は10時から16時までのため、普段、子どもは土曜・日曜しか来ないのですが、今週は家庭訪問のため学校が早く終わったとのこと。5人の女の子と、母親の女性1人が「ここ宿題で使っていいですか?」と入って来て、子どもたちは宿題を始めました。母親の女性は子どもたちの宿題を見ていました。

宿題が終わった後、子どもたちは表の健康ベンチのところで長縄跳びをして遊んでいました。

「居場所ハウス」という場所があることで、様々な人々が集まったり、立ち寄ったりすることができる。地域の風景とは、このように様々な人々の姿の重なりとして立ち現れてくるものなのかもしれません。