『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

居場所の制度化と建築計画学における事例研究

日本建築学会の論文集(日本建築学会計画系論文集)に「居場所の制度化と建築計画学における事例研究」という論文を投稿しました(こちらのページから論文のPDFファイルをダウンロード可能)*1)。

近年、フリースクール、コミュニティカフェ、地域の茶の間、宅老所、ホームホスピスなど従来の制度・施設でない居場所(まちの居場所)が同時多発的に開かれてきましたが、その後、これら場所(の一部)が制度に取り込まれたり、施設のモデルとされたりする動きがみられるようになりました。

居場所が制度に取り込まれたり、施設のモデルにされたりする動きが悪いことだとは考えていません。ただし、そもそも制度・施設ではなかった居場所が、制度に取り込まれたり、施設のモデルにされたりするとはどういうことを意味するのか? 制度・施設と、制度・施設でないものとは何が違うのか? この数年、このことを考えてきました*2)。

この論文も、この考察の一環として執筆したもので、建築計画学の研究者が居場所をどのように事例として扱ってきたのかを考察したものです。
建築計画学という限られた分野であり、論文のフォーマットがやや読みづらいですが、居場所について、居場所を研究することについて、そして、居場所をめぐる研究者や専門家について考察していくための手がかりに少しでもなればと考えています。


■注