『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

韓国の盆唐新都市の光景(2005年3月)

写真は韓国の盆唐(Bundang)の集合住宅。盆唐は、ソウル市内への人口集中に伴う住宅不足への対応として、1988年に発表された「住宅建設200万戸計画」に基づいて開発された第一期の新都市(盆唐、一山、坪村、中洞、山本)の1つで、2005年3月に訪問した際に撮影したものです。

新都市開発前は水田が広がる地域でしたが、1989年4月27日に新都市として開発することが発表され、1989年8月30日から開発がスタートしました*1)。開発により農業だった地域は変化し、2011年3月31日時点の人口は482,688人となっています*2)。近年では盆唐に隣接して、板橋新都市が開発されています。

今回、初めて韓国を訪問しました。素朴な感想ですが、特に集合住宅について次のようなことを感じました。
まずは、日本に比べると集合住宅のプロポーションが細長いこと。地震のない韓国だからこそ可能な実現できるのだと思います。
もう1つは、集合住宅の壁に建設会社の名前が書かれていること。案内してくださった方の話によると、外観を見れば、どの会社の建物で、どのタイプ・グレードのマンションなのかがわかる、とのこと。写真には写っていませんが、Samsungの「来美安(レミアン)」と呼ばれるタイプが一番高級だとも伺いました。

写真は盆唐の団地で見かけた露店。
計画された住宅地では、ここは道路、ここは店舗、ここは道路、ここは公園というように土地に機能が計画的に割りあてられます。この割り当てに従えば、道路は通過するための場所で、物の売り買いをする場所でないということになりますが、人の暮らしとは綺麗に機能によって分けられないことを、露店は表しているように思います。

計画とは想定外のことが生じてくることが、生活が営まれていることだと言えるかもしれません。


  • *1)Wikipedia「Bundang-gu」のページより。
  • *2)Wikipedia「Bundang-gu」のページより。なお、盆唐の面積は69.44㎢。

(更新:2024年10月11日)