『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

『千里』2003年3月1日号

2003年に、(財)大阪府千里センター(現、(財)大阪府タウン管理財団)発行の新聞『千里』にて、千里グッズの会の活動が紹介されました。

▼「千里ニュータウンのおみやげって、どんなものがあるの?」「特に聞かないなあ」「じゃ、みんなで開発しようよ」ということで発足したのが『千里グッズをつくる会』。昨年夏、ひがしまち街角広場。にぎやかな集まりの中で思案が始まった。
▼千里名物の竹のこと、自慢の美しい環境、文化学術の世界的拠点、素材には事欠かない。議論百出の中で、ポンと先に躍り出たのが、4面でご紹介の千里の絵はがきである。ふだんから千里ニュータウンを研究している大阪大学大学院の教員と院生が中心となって積極的に動きだしたから仕事は早い。3月から試験販売開始とあいなった。
▼この絵はがきづくりについては、早くからアイデアを温めていたという。海外から寄せられたり、渡航して手に入れた絵が手元にいっぱい。ワイン工場製作のワイン型絵はがきなど、形もデザインもきわめてユニークなものも多いという。しかし日本では変形版は定形外郵便となるから高くつき、広く頒布というわけにはいかない。
▼この絵はがきづくりへの挑戦は意味が深い。まちづくりに必要なコミュニティ・ネットワーク醸成にもつながる。千里ニュータウンが生まれて40年。これだけのまちで「千里饅頭」一つないのはさびしい。ユニークな千里グッズが競い合って生まれたらどれほど楽しいことか。
『千里』第460号 平成15年(2003年)3月1日

この新聞記事から5年半。
絵葉書を作るため、千里ニュータウン内を歩き回り、多くの写真を撮ってきました。今、そうやって作ってきた絵葉書を見ていると、建替えなどによってもう二度と見ることのできなくなった風景が多いことに気づきます。
絵葉書を作ることが、結果として、変わりゆく千里ニュータウンの風景を写真に残すことにつながっている…

街の歴史を記録しておくこと。
絵葉書作りにはそんな意味もあったのだと気づかされました。

(更新:2012年11月23日)