『わたしの居場所、このまちの。:制度の外側と内側から見る第三の場所』(水曜社, 2021年)のご案内

第1回「街角広場スキマチャレンジ」

2019年1月12日(土)、新千里東町近隣センターの「ひがしまち街角広場」にて、第1回目の「街角広場スキマチャレンジ」を開催しました。
新千里東町に「あったらいい」、「やってみたい」を「ひがしまち街角広場」の空き時間(スキマ)を使って試すプロジェクトです。

現在、新千里東町近隣センターは移転・建替の計画が進められており、「ひがしまち街角広場」の運営は大きな岐路に立たされています。ディスカバー千里(千里ニュータウン研究・情報センター)では、「ひがしまち街角広場」がこれまで生み出してきたことを共有すると同時に、「ひがしまち街角広場」の新たな可能性を発見したいと考えました。こうした考えからスタートさせたのが「街角広場スキマチャレンジ」です。


「ひがしまち街角広場」の運営が終了する16時頃から、ディスカバー千里のメンバーで会場のセッティング。1回目は、お越しいただく方に千里ニュータウンのこと、新千里東町のこと、そして、「ひがしまち街角広場」のことを知っていただきたいと考え、次のような資料を展示しました。

  • 千里ニュータウンの今昔の子どもの遊びの写真
  • 「ひがしまち街角広場」の映像
  • 新千里東町、「ひがしまち街角広場」に関する「大きな本
  • 千里ニュータウン、千里中央の年表
  • 千里ニュータウンのマップ、『ぶらり千里

ディスカバー千里が制作した千里の絵葉書、『千里ニュータウンウォークガイド』、『新千里北町くるまどめ』の展示・販売も行いました。

「街角広場スキマチャレンジ」は、「ひがしまち街角広場」隣の「いなごや酒店」の立ち飲みコーナーとも連携。立ち飲みコーナーで購入したお酒を持ち込み、飲食してもらうための場所としても開放しています。

1回目の「街角広場スキマチャレンジ」には若い世代(30〜40代)の方が子どもと一緒に参加いただくなど、約20人にお越しいただきました。
若い世代の方の中には「いなごや酒店」の立ち飲みコーナーの常連の方がおり、立ち飲みコーナーのマスターからの案内で「街角広場スキマチャレンジ」を知ったとのこと。立ち飲みコーナーは、これまで地域でお会いすることがなかった人々同士が顔を合わせたり、集まったりするための貴重な場所になっていることがわかります。

若い世代の方の中には新千里東町出身の方、他地域から転居された方がいました。他地域から転居された方の中には、特に再開発前の新千里東町のことをほとんど知らないという方も。この日初めて「ひがしまち街角広場」に入ったという方もいました。
この日の「街角広場スキマチャレンジ」には、若い世代の方々に新千里東町や「ひがしまち街角広場」のことを知っていただけるきっかけになったという意味があったと考えています。

その反面、再開発前の新千里東町の歴史が若い世代にきちんと継承されていないという課題があることも浮かび上がってきました。
若い世代にとって「ひがしまち街角広場」は高齢者が集まる場所であり、入りにくい場所/自分たちには関係ない場所だと認識されていることもわかりました。「ひがしまち街角広場」は約17年前にオープン。当時、60代だったスタッフ・来訪者も70〜80代になり、子育て世代と年齢差が生まれているのもこの背景にあるという話もされました。
また、「ひがしまち街角広場」は学校公認で寄り道し水を飲みに立ち寄れる場所ですが、最近の子どもたちは水を飲みに立ち寄らなくなっていることもわかりました。「ひがしまち街角広場」に立ち寄るのは寄り道と見なさないという考えが、学校の先生方の中で継承されていないこと、「ひがしまち街角広場」に水を飲みに立ち寄るのをよく思わないスタッフがいることなどの理由があるという話も出されました。

このように新千里東町の課題も浮かび上がってきましたが、こうした課題に向き合うためには、若い世代に顔を出してもらうと同時に、「ひがしまち街角広場」のスタッフ・来訪者にも顔を出してもらえるような場所として「街角広場スキマチャレンジ」を積み重ねるしかないと考えています。

「街角広場スキマチャレンジ」は今後も定期的に開催予定です。開催日はディスカバー千里のウェブサイトにてご案内します。