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新千里東町のウェブサイト:地域のポータルサイト

Yahoo! JAPANやGoogle、gooのようなサイトはポータルサイトと呼ばれます。portal(ポータル)を手元の辞書で調べると、門とか入口という意味。ポータルサイトとは、インターネットへの入口ということで、多くの方々が、インターネット・ブラウザを立ち上げた時に表示されるページとして、Yahoo! JAPANやGoogle、gooなどを設定されているかと思います。

この考え方を地域に適用すれば、地域のポータルサイト、つまり、地域を知るための入口となるページを考えることができます。
千里ニュータウンの住区でいうと、例えば、新千里東町新聞委員会が編集されている新千里東町のページ
*「新千里北町」「新千里西町」「佐竹台」「高野台」・・・と、他の住区の名前で検索してみましたが、それらしきサイトは見当たりませんでしたが、もしかすると他の住区にもポータルサイトがあるかもしれません。

『広報とよなか』2010年7月号には、このページを作成されている方の「新しい住民が地域活動に参加したいと思ったときに役立つホームページを作ろうと考えました」という言葉が紹介されており、地域への入口となることが意識されています。
新千里東町のサイトの中を覗いてみると、住区の紹介から緊急連絡先等のお役立ち情報まで非常に充実しており、読んでいて飽きないのですが、現在の情報を提供するだけでなく、歴史的な情報もたくさん掲載されています。例えば、東丘公民分館や豊中防犯東丘支部のページ、地域新聞『ひがしおか』のバックナンバーなど、まさにアーカイブ。

先日ご紹介した新千里東町のページには、住民専用のページがもうけられており、ここを閲覧するには「ID」と「パスワード」が必要です。
この「ID」と「パスワード」はどうすればわかるかというと、自治会役員か、近隣センターの「ひがしまち街角広場」に尋ねてください、とのこと。

ここで、「ひがしまち街角広場」の名があがっているのが面白いと思います。
「ひがしまち街角広場」の方々は、「ID」と「パスワード」を尋ねて来る人が地域住民か否かの区別がつくので、何かよからぬことをたくらんでいる人はそこで排除されてしまう。高価な技術を用いた認証装置なんて導入しなくても、「ひがしまち街角広場」に任せておけばセキュリティも守られる。

「地域への入口となるポータルサイト」の入口の役割を、リアルな空間である「ひがしまち街角広場」が担っている。
情報の世界は、リアルな世界の裏付けがあって初めて、地域(というリアルな空間)に根ざした情報のための場所になり得る、ということでしょうか。

情報の世界とリアルな世界とのつながり方を上手く工夫すれば、地域において面白いことが色々とできそうな気がします。

(更新:2015年6月3日)