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千里ニュータウン再開発の光景@新千里東町近隣センター(2012年5月)

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千里ニュータウンの豊中市域の住区の1つ、新千里東町。その近隣センターの建て替えの話が出ているという記事が、先日の新聞に掲載されていました。

千里ニュータウンの新千里東町近隣センター(大阪府豊中市)の権利者は、老朽化した施設の再開発を計画している。10年度に地元組織「移転建替え準備組合」を設立、隣接する大阪府営新千里東住宅第2期区域南端への移転を計画しており現在、豊中市や大阪府と協議中。6月にも市街地再開発準備組合を設立の意向だ。府有地面積は未確定だが権利者側は約8000平方メートルを要望、低層部の商業施設と中層以上のマンションで構成する最大延べ床面積約2万平方メートルの施設計画を検討している。近隣センター跡地もマンションにするという。コンサルタントは都市問題経営研究所が担当。

再開発事業は、現在の新千里東町近隣センター(新千里東町3丁目6)の用地と道路を挟んだ東側の府営住宅用地を活用して実施する計画。
この近隣センターは、1960年代から千里ニュータウンで順次整備された生活関連の物販施設(RC造2階建て)で、東丘小学校(豊中市新千里東町3丁目の1の1)の東側にある。
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大阪府では、PFI事業による大阪府営新千里東住宅第1期区域の建て替えを進めており、第1期区域の南隣に広がる第2期区域の建て替え方針は来年度中に固まる見通しだ。
このため近隣センター側が求めている第2期区域南端の再開発用地が固まるのも来年度以降になる見通し。
豊中市では、移転建替え準備組合の活動を支援するとともに、再開発事業に伴う都市計画上の課題整理や、土地利用計画と建築計画の作成、事業手法の検討、府営住宅の建て替えとの調整など進めている。
16年度の事業認可と本組合設立、19年度の完成を目指している。
*「新千里東町近隣センター(豊中市) 再開発へ6月にも準備組合」・『日刊建設工業新聞』2012年5月11日

千里ニュータウンは、近隣住区論に基づいて計画された街で、各住区にもうけられた近隣センターには、スーパーマーケットをはじめとする様々なお店があるという意味で「物販施設」であることに違いはありませんが、その他にも、郵便局や各種の病院があったり、そして、(新千里東町の場合は)東町会館、そして、近年では「ひがしまち街角広場」もあるという意味で、決して、単なる「物販施設」ではありません。かつては、ここに銭湯もありました。
それぞれの住区のコミュニティの核となるのが、近隣センターだと言うことができます。

ちょうど今、新千里東町では地域自治協議会が立ち上げられようとしています。

これは、豊中市の地域自治システムの動きに沿ったもので、新千里東町地域自治準備委員会のウェブサイトには、地域自治システムの目的・理念が以下のように書かれています。

〈目的〉
•地域の住民、団体および市が、相互に連携・恊働して地域づくりに取組むために必要な仕組みを整備する。
•これにより、自治基本条例に規定する「地域自治」の推進を図り、地域自治を発展させる。
 
 〈豊中スタイル(基本理念)〉
•地域住民が主体となって取り組み、地域コミュニティを活性化すること。
•地域自治組織の形成・活動を通じて地域自治の仕組みを継承・発展できるよう、段階的に取り組みが進められること。
*「新千里東町地域自治準備委員会」ウェブサイトより

ある方が、「近隣センターの建て替えは、今、地域自治システムとして最優先で取り組むべきことの1つではないか」と話されていましたが、その意見に賛成です。

新千里東町地域自治協議会は、近隣センターの建て替えについての議論の場として、絶好の組織だと思います。地域にとって大切な近隣センターの今後の可能性を地域で充分に議論なされた上で、建て替えが行われることを願います。

(更新:2015年5月5日)